|
きょうのコラム「時鐘」 2009年3月30日
マッチ箱のようなわが家でさえ、人工衛星のカメラに写ってネットのサービスで簡単に見ることができる時代だ。北朝鮮のミサイル発射台が見えるくらいで驚いてはいけない。が、発射台周辺の人影まで写るのには感心する
ことしは北陸の自治体新年度予算案に、宇宙の目の利用といえる「GPS装置」導入が目立った。富山市はライトレールの運行を制御し、石川県では災害の被害個所を把握する計画を打ち出していた。衛星の利用はそれほど進化している が、北朝鮮のミサイル発射台撮影は軍事機密監視というよりも軍事独裁国の作戦PRにまんまと乗せられているような気がしないでもない。刻々と変わる発射準備写真が報道されるたびに、揺れ動く日本側の防衛態勢があぶり出されるからである 迎撃準備が進む中で、政府中枢から「落とせない」と水をかけるような論が漏れる。これでは麻生内閣の「足元」が見られてしまう。肝心の「破壊措置命令」も二転三転してようやく発令された この重大時に首相であることの重みは、戦後内閣にも比類がない。その緊張感が伝わらないのでは困る。 |