髪形や服装に問題はなく、学級崩壊状態のすさんだ授業態度を示していたわけでもなかった1年男子生徒11人。市教委によると、その名もおぞましい「先生を流産させる会」を1月に作ったきっかけは、女性教諭への反発だった。
席替えの際に発達障害や不登校気味の生徒について配慮したり、部活動でモメ事を起こした生徒に担任として注意したりしたことに不満を募らせたという。
特に“過激派”の生徒数人が他の生徒に声を掛け、教諭が妊娠5−6カ月だったとみられる同月下旬からイタズラを開始。チョークの粉や歯磨き粉などを混ぜたものを教諭のマイカーに掛けたほか、理科の実験で使った食塩や「ミョウバン」の一部を、教諭が食べる給食のミートソースの中にひとつまみ分ずつ混入させた。
「ミョウバン」は漬物の発色を良くしたりする食品添加物で、少量を口にしても害はないとされるが、一方で教諭が座る椅子の背もたれのねじを緩め、転倒させようとしたこともあったという。
教諭にけがはなかったが、嫌がらせぶりをみかねた一般生徒が2月下旬、違うクラスの生徒に打ち明けたことから別の教諭も知るところとなり発覚。学校側は関与した生徒と保護者を呼んで注意。生徒らは教諭に謝罪した。
教諭は4月から産休(8週間)に入る予定で、幸い体調に問題はない。市教委は「生徒たちは単なるゲーム感覚でやったのかもしれないが、ひとつ間違えれば大変なことになっていた」と悪質ぶりにカンカン。「妊娠中の女性教諭にしたことがいかに悪いことか。命の大切さや人の痛みが分かるよう、これからも生徒に指導していきたい」としている。