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mizumizu4329の日記 [全653件]

もはや発狂花火、キム・ヨナの演技・構成点 
[ Figure Skating(2008-2009) ]  

読者のみなさまへ

あまりにたくさんのメールありがとうございました。多少の温度差はあるとはいえ、みなさんが採点についてお感じになったことは、メールを拝読しますとほとんど同じ。Mizumizuもみなさんと同じ気持ち。

正直、もうフィギュアねたを書くのはやめようと思ったのですが、ブログを開けてみるとなんとまぁ、こんな個人ブログに1日で3万2000件ものアクセス。

きのうも2万件でしたので、やはりエントリーを期待されている方が多いとわかり、最後にあと数回だけ書こうかという気になりました。それをもってMizumizuはフィギュアの世界から出て行こうと思います。長く愛好してきましたが、「もう付き合いきれない」という気分です。ブランケッティさんの言う「消えた観客」の1人になるときが来たようです。

多くの方が呆れたキム・ヨナの銀河点。加点については、客観的な数字で奇妙さが示しにくいので、一番わかりやすい演技・構成点に焦点を当ててみましょうか。

今回の異常な点数は、もはや発狂したとしか思えない演技・構成点なくしては説明できません。


まずは、日本中のファンの目が点になったショートのキム選手の得点のうち、ジャッジがつけた演技・構成点。

キム・ヨナ選手自身の直近の4大陸と比べてみると、その異常な爆アゲぶりがわかります。

スケートの技術 (4大陸)7.6→(世界)8.45  0.85点もアップ
つなぎのステップ (4大陸)7.1→(世界)7.75 0.65点もアップ
演技(パフォーマンス) (4大陸)7.65→(世界)8.5 0.85点もアップ
振付  (4大陸)7.55→(世界)8.05 0.5点もアップ
音楽との調和(解釈)  (4大陸)7.65→(世界)8.15 0.5点もアップ

今回総じて、点数は高く出ました。では、他の選手はどうでしょうか?
ロシェット選手
スケートの技術 (4大陸)7.3→(世界)7.55  0.25点アップ
つなぎのステップ (4大陸)7.0→(世界)7.35 0.35点アップ
演技(パフォーマンス) (4大陸)7.25→(世界)7.7 0.45点アップ
振付  (4大陸)7.55→(世界)8.05 0.4点もアップ
音楽との調和(解釈)  (4大陸)7.65→(世界)8.15 0.3点アップ

浅田選手
スケートの技術 (4大陸)7.4→(世界)7.75  0.35点アップ
つなぎのステップ (4大陸)6.85→(世界)7.15 0.3点アップ
演技(パフォーマンス) (4大陸)7.2→(世界)7.6 0.4点アップ
振付  (4大陸)7.25→(世界)7.64 0.4点アップ
音楽との調和(解釈)  (4大陸)7.25→(世界)7.55 0.3点アップ

どうですか? ロシェット選手と浅田選手の「あがり具合」がかなりきれいに拮抗しているのに対し、キム選手の爆アゲぶりがわかりますね。

つまりキム選手は、わずか1ヶ月の間に、演技・構成点の5つのコンポーネンツを抜群に磨いてきたのですね。素人目にはほとんど、いやまったくわからないのに、さすがに選ばれたジャッジの目は違います。スケートの技術は1点もあがっちゃったんですね。いやぁ、すごいです。こんな選手はフィギュア史上初でしょう。天才ですね。

タテマエ上は、演技・構成点も他の選手と比べた「相対評価」ではなく「絶対評価」。どういうことかというと、5つのコンポーネンツの点数が「絶対的にどのくらいの価値をもつか」を数量化したものということです。

たとえば100点満点のテストでは、80点取った人より90点取った人のが優秀です。ですから、ある選手とある選手の「スケートの技術」の点数を比べれば、その数字の差で、優劣がわかるわけです。

「キム選手のスケート技術って男子並みなんですか?」というメールもいただきましたが。

いいえ、キム選手のスケート技術は男子以上なんですね〜。

男子ショートで4+3を跳び、トリプルアクセルを決め、スピンもステップもレベル3から4で加点ももらってトップになったジュベール選手とらべてみましょう。カッコ内がヨナ選手です。

7.8(8.45)、7.3(7.75)、7.75(8.5)、7.7(8.05)、7.85(8.15)

スケートの技術はジュベールでさえ、8点台は出ていません。つまり、ヨナ選手の技術は、男子を上回っているんです!

4回転も、そのコンビも、3Aも跳べないヨナ選手が、なぜ?

それは・・・

トータル・パッケージだからです! そして、そうジャッジが点を出したからなんです!

そのココロは? 素人のワタクシにはわかりません。ただ、演技・構成点をそこまで爆アゲしたかった理由は、「なんとかできるだけ得点を上げたかった」と考えれば辻褄が合います。
ショートの場合、男子の演技・構成点は実際の得点にそのまま反映されますが、女子の場合は8掛けになります。そうやって、もともと主観でつける演技・構成点の差をなるたけ少なくしようという、採点システムを作ったときの良心なんですね。8掛けにしかならないので、よっぽどジャッジが点差をつけないと、実際の得点の差になってきません。

テレビで言ってましたよね。キム選手は過去に10点差を浅田選手にひっくり返されたと。だったら、10点以上ぶっちぎっておけば、かなり安心ですよね。

では、女子と男子の演技・構成点というのは、どういうふうに出てくるのがこれまでの慣例でしょうか?

昨季の世界選手権のショートで一番評価された高橋選手と浅田選手とキム選手自身の点を比べてみましょう。

高橋(浅田)キム
7.86(7.43)7.21、7.64(6.89)6.71、7.79(7.36)7.00、7.89(7.21)7.14、8.07(7.21)7.11

これが事実です。男子は総じて、女子より高く出ます。高橋選手でさえ、音楽の解釈でわずかに8点を上回っただけです。

今回のキム選手の
8.45、7.75、8.5、8.05、8.15
という点がいかに、これまでのフィギュアの常識をくつがえすものかわかるでしょう。

この点を見たとき、「フリーはどうするんだ?」と思いました。普通の点に戻して知らんふりするのか、このまま突っ走るか。

ジャッジの判断は後者でしたね。

さすがに、ショートで1人だけ8点台では、いかにバカな素人でもおかしいと気づくと思ったのか、他の選手にも適当に8点台を与えるという「一緒アゲ」になりました。

キム選手のフリーの演技・構成点
8.5、8.25、8.7、8.6、8.7

安藤選手のフリーの演技・構成点
7.95、7.65、8.15、8.05、8.15

ちなみに安藤選手の初戦のアメリカ大会(このときもキム選手が1位)は、
6.95、5.65、6.85、6.6、6.55

安藤選手はシリーズ序盤、ずっと低くつけられ、モロゾフがジャッジに説明を求めに行っています(要は圧力)。5.65ってのが、ふるってると思いませんか? 

今季はこんなに異常に上がったり下がったりするんですよ。これを「表現力」で説明できますか?

Mizumizuにはできません。

では、男子の世界王者となったライザチェックのフリーの演技・構成点は?
7.7、7.45、7.65、7.7、7.6
これが男子フリーで最高でした。それでも8点台なんて、ありません。

またまたキム選手の演技・構成点は男子王者をはるかに凌いでいるのです! スケートの技術に関してはぶっちりでライザチェックを見下ろしています。2度目のルッツは回転不足気味で着氷の軸が傾き、3サルコウは跳べずに2サルコウでも回りきらなかったキム選手が、です。

この発狂点がどのくらい発狂してるか、トリノでジャンプでもステップでもスピンでも表現力でも「他の選手とは次元の違う」演技をしたプルシェンコ選手に登場していただきましょう。

あのときのオープニングの4T+3T+2Loはすごかったですね〜。それからすぐに3A+2Tを跳んでしまいました。ステップの速さも度肝を抜かれましたね。

プルシェンコのトリノのフリーの演技・構成点(カッコ内が今回のキム選手)。
8.46(8.5)、7.75(8.25)、8.39(8.7)、8.18(8.6)、8.43(8.7)
トリノの男子フリーではバトル選手が8点台を1つ出しただけですから、プルシェンコがいかに傑出していたかわかるでしょう。

そのプルシェンコを…

スケート技術で上回り、つなぎのステップでも上回り、演技・振付・音楽との調和でも上回っていたのです! 去年までそこそこ跳べていた3ループも跳べなくなり、サルコウも劣化したキム選手がです。ジャンプ跳べなくなっているのに、どんどん点が上がる… あ、トータル・パッケージだからですか、なるほど。

申し訳ありませんが、もはや理解不能です。

いや〜、凄すぎます。ぜひトリノでプルシェンコとガチンコ勝負してほしかったです。そうやって現場でくらべれば、Mizumizuのような素人でも、キム選手の「表現力」が理解できたかもしれません。

昨日紹介したブランケッティさんが、演技審判の人数が12人から9人に減ったことで、さらに採点の信頼性が損なわれるのではと危惧していましたが、まさにそのとおりになりましたね。演技・構成点が派手に上がったり下がったりというのは、今季から顕著になりました。

ブランケッティさんは、ジャッジは匿名ではなく記名で点をつけ、各ジャッジの点についてあとで裏で評価して、他と違った点をつけたからといってジャッジを罰したりしてはいけない。そのかわりに自分で出した点は自分で責任をもて、と言っています。ランダム抽出もだめ、上下を切って平均するだけでいい、とも。つまり、演技審判は意識合わせをしてはいけない、と言ってるんですね。ただ、そうなると本当に各ジャッジで点がバラバラになるし(基本的に好みが入る採点は、それが本来なんですが)、ある程度の意識合わせは、せざるをえなくなるのじゃないかとは思いますが。

昨季までは、演技・構成点として出てくる点は、相当まともでした。ある程度の意識合わせはあったでしょうが、プロトコルの5コンポーネンツの評価を見るのが案外楽しみだったのですね。

たとえば、昨季のファイナルのランビエールVS高橋選手のプロトコルはおもしろかった。芸術性の高いランビエールに対して、4回転2度をにらんで、プログラムの密度をあえて落とした高橋選手。僅差でランビエールに軍配が上がりましたが、振付や曲の解釈などのわずかな2人の差が絶妙で、「そういわれれば納得せざるをえないな、さすがプロの評価」とうなったものです。

昨季までのMizumizuブログを読んでいる方ならわかると思いますが、基本的にMizumizuは、ジャッジの採点を信頼していました。ダウングレードについても「ルールがおかしいのであって、ジャッジは基準にもとづいて判定してるだけ」という立場でした。

しかし、今季の「厳密化」。そして実際の試合で起こる露骨な特定のジャンプ殺し。世界選手権では、安藤選手の3ループは決して容赦しなかったですね。他の選手の微妙な不足ジャンプは認定されてるのもありましたが。モロゾフは狙われているジャンプに気づいて、フリーからはずしましたが、3ループの単独さえ回転不足を取られました。たしかに少し足りなかったかもしれません。つまり、3ループを安藤選手から奪わなければ、勝てない選手がいるんです。「安藤・浅田には勝たせないぞルール」の正体、そろそろ納得していただけましたか?

こんな判定や出てきた点数を見て、まだルール・ジャッジは公平などと思うおめでたい人は、せいぜい田舎でイタチでも追いかけていてください。

したたかなモロゾフは、そんなことは信じてません。世界で勝負してる彼は、ルールはあくまで人為的なもので、意図的な判定がしばしば行われることを熟知しています。ISUが、安藤・浅田にはもう2度と決して勝たせないつもりでいることも、今季身にしみたでしょう。彼らは日本からお金を引き出そうとしているだけですから。最後の世界選手権での日本選手の低得点を見れば、わかるでしょう。3人いたら、そのうちの1人は決して点を出してもらえませんでしたね。

国別対抗なんて茶番、まだ皆さん、見たいですか? 浅田選手のあの消耗ぶりを見ても? インタビューでは、もう声が出てなかったじゃありませんか。国別対抗で日本に金メダルなんて、意味のないお手盛りをしてもらって、嬉しいですか?

文字制限、続きは明日








最終更新日時 2009年3月30日 10時37分7秒
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2009年3月29日

史上最悪の採点、2009世界選手権女子ショートプログラム
[ Figure Skating(2008-2009) ]  

読者の皆様へ

女子ショートプログラムの地上波での放送が終わり、拙ブログへのアクセスが2万件近いという突発的事態になっています。おそらく、みなさま、この結果に関する拙意見にご興味があるのだと思いますが、正直、まったく理解できません。もっとも格式の高い世界選手権ですから、良識のあるジャッジングを期待していましたが、この意味不明の数字の累積は、プロトコルで「謎とき」する気にもならないぐらいです。 

オーサーが殿堂入りしますので(世界選手権後に記念のパーティがあります)、そのご祝儀ということでキム選手の点があがってくること、カナダのロシェット選手もアゲられることは、ある程度予想していましたが…

ロシェット選手の点が出たときは、一瞬、3+3をやったっけ? と思ってしまいました。全体的に皆どんどんSBを更新して、点は高めではありましたが… キム選手の演技は確かにすばらしかったですが、あの銀河点には言葉がありません。トリノのプルシェンコならともなく、あの内容で、あの出来で、フリーをやる意味をなくすような点が出るなど、もはや滑稽としかいいようがありません。点が出ると後づけで褒めまくる(褒めまくらなければいけない)解説者が、いっそ気の毒です。

日本選手についていえば、村主選手の点が、なぜあそこまでサゲられなくてはいけないのか? 浅田選手は認定される3+3ループを跳んで、すごい! と言いたいところですが、やはりあれはちょっとだけ足りていません。あれでは、今後も認定されるかされないかギリギリのといころで博打に出なければいけません。安藤選手のほうは微妙なところで「地獄の」ダウングレードです。確かに浅田選手よりは回転不足の度合いが大きかったかもしれませんが。スローで再生して初めて、不足の度合いが大きい「かもしれない」とわかる2つの「やや足りてないジャンプ」の点を天国と地獄の差にする意味がありますか? 何度も繰り返しますが、回転不足を厳しく取ることには、反対しません。問題はその減点の度合いです。

とは言え、安藤選手の演技は素晴らしかった。点数稼ぎの技術ばかり発達し、「訴えかけるもの」がなくなってしまった昨今のフィギュアのプログラムですが、今回のショートには、安藤選手にしか出せない味、深い情感がありました。

しかし、出てきた点は不可解かつ不合理なもの。

40年にわたってフィギュア・スケート界に貢献してきたレフリー資格をもつパイオニア、ソニア・ビアンケッティさんが、今季の欧州選手権を見て絶望した気持ちがよくわかります。

ビアンケッティさんの「絶望的な気分が反映された採点システムへの意見書」↓

http://www.soniabianchetti.com/writings_hope.html

「芸術性は消え、スケーターは消え、観客もいなくなる」「3回転や4回転の回転不足が回りきっての転倒より低くなるなどナンセンス」「選手はできるだけ点数を稼ごうとするだけ(そこに芸術はない)」「(GOEや演技・構成点の)ジャッジングが匿名で、かつランダム抽出されるため、誰も責任を取らず、一般人は匿名なのは陰謀や取引のためだと見なし、スポーツそのものの信頼性を損なっている」「演技・構成点に5つのコンポーネンツなどいらない。演技・構成点を絶対評価などできない」、だから結局は「旧採点システムに戻すしかない」(以上、ビアンケッティさんの意見書からの引用)… 

こんな意味不明の累積数字の羅列を見せられるのは、もういくらなんでもご免です。もちろん、プロトコルを見れば、それなにり筋はとおっているでしょう。ジャッジはみな、一定の基準に基づいて点を出していますから。しかし、スポーツのジャッジングというのは、人々から信頼されなければ成り立ちません。

「オレたちは専門家。専門家が判断して点をつけたのだから、シロートのお前らは黙って納得しろ」と言われて、みなさんは理解できますか? この点を? 実際にジャッジしている審判より長い経験をもつ専門家が、「あまりにひどい」とさまざまな弊害を指摘しているのですよ。一方で、日本の「専門家」は長いものに巻かれてるだけ。ルールは神聖、ジャッジは公平という盲目的な信仰で何でも論じている。変だと思いませんか?

改悪に改悪を重ねたフランケンシュタイン・ルールは、もはやちょっとやそっとの手直しでは、どうにもなりません。昨季までは、ある程度ジャッジの肩をもってきましたが、もはや限界です。

ビアンケッティさんの言う、「最初はいくらか長所もあった、演技の技術的な部分を数量化するという考えは、いまや不合理の頂点に達した」という言葉に全面的に賛成です。

みなさん1人1人の良心と良識に尋ねたいと思います。

今の(特に多くのスポンサーの絡む)女子フィギュア・スケートの採点が、マトモだと思いますか?







最終更新日時 2009年3月29日 2時27分18秒
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2009年3月28日

きのうの続き
[ Figure Skating(2008-2009) ]  

<きのうから続く>
大一番で急にジャンプ構成を変えることの怖さがここにある。普通に考えれば、今まで4回転でコケて流れが止まっても、必ず連続ジャンプにできていた。そのくらい確実に成功できる連続ジャンプだったのだ。しかも今回、オープニングを簡単なダブルアクセルに変えた。非常にきれいに決めて、加点を稼ぐという目的は達したが、いままでできていた次の連続ジャンプにミスが出た。

同じような現象は全米のウィアー選手にも起こった。連戦で疲れのあったウィアー選手は3Aが不調に陥った。そこで全米フリーでは構成を大幅に変更。最初の4Tをはずして、3Aを入れ、ゼッタイに決める構成できた。普通に考えれば跳べるジャンプなのだ。だが、それがまたも失敗に終わった。

小塚選手は織田選手とは違って、セオリー通り、最初の3Aを連続にできなければ、2回目の3Aを連続にしようと考える。今まで単独でさえ決まっていないのだから、連続となると負担は返って増してしまう。だが、今回は、完璧ではないが、なんとか連続にして決めて10点近い点を稼ぎ出したので、「後半のトリプルアクセルを決める」という目標自体は達成した。これまで4回転を入れて、1度しか成功してないジャンプを連続にできたのだ。4回転がどれほど体力を奪うか、ジュベールじゃないが、4回転を入れて後半までまとめきるのは、至難の業だということだろう。ジュベールがパターン通りの失敗に陥ったのは、すでに彼に全盛期の体力がないことの証左かもしれない。

それともう1つ、後半の3Aをゼッタイに決めるために小塚陣営が考えた小さな工夫。後半の2度目にくる3Lzからの3連続をはずし、1つ前の3Sからの連続ジャンプに変えたのだ。このほうが負担は軽いハズだ。実際、この3Lzからの3連続、よくいつも決めてるなぁ、と感心していた。同時に、あれが見えない負担になって後半の3Aに影響しているのかもしれないと思っていた。

佐藤陣営も同じように考えたのか、3連続は後半の最初にもってきた。ところが、これまた失敗。小塚選手はワンシーズンとおして、常に同じジャンプ構成を繰り返すという戦略で戦ってきた。ある程度までうまくいったのだが、どうしても最後の最後の難関、後半の3Aが決まらない。そこで今回ジャンプ構成を少しいじったのだ。負担を軽くしたはずだが、これまで同じことをずっと繰り返してきた体はときに、急には変化に対応できないことがある。そこで失敗が出たのだろうと思う。ジャンプ自体の調子がいまひとつだったこともあるかもしれない。ループは回転不足を取られやすい。たとえ2ループでも、ダウングレードされると、やらなかったほうがマシというような点になってしまう。

それに、今回の小塚選手のジャンプには加点があまりつかない。グランプリ・シリーズが大盤振る舞いだったといえば、それまでだが、実際に小塚選手のジャンプはこれまでに比べ、全体的に高さがなくなってしまった。気持ちいいぐらい回りきって降りてきたハズのジャンプが今回はギリギリ。試合数が多すぎるシーズンをフルに戦うことの難しさが出たと思う。全米まではミスのない演技で勝ってきたアボットも、4大陸からは自滅コースに入ったことを見ても、これは小塚選手の責任ではない。小塚選手はアボット選手より若い分だけ体力があり、もったと言えるかもしれない。チャン選手は韓国のファイナルでは明らかに手を抜いていたし、カナダの国内大会は日本ほど厳しくはない。

とにかく、日本選手は国内での代表争いも熾烈だし、国際大会のタイトなスケジュールに加えて、ショーだのイベントだの、まるで奴隷のようにこき使われている。ここ数年の日本の現役フィギュア選手のスケジュールは異常ではないか。健気な日本選手は文句も言わず、ショーでもイベント試合でも、足を運んでくれる一般のファンに満足してもらおうと常に全力投球。小塚選手のジャンプが、これまでのようにピタッと気持ちよく決まらなくなったのは、明らかに疲労がある。それでもここまでまとめた。スピンやステップも取りこぼしなく大一番を戦った。その根性と精神力には拍手を送らないといけないだろう。あとは、選手をサポートする側の責任だ。「強化」してるのか「消耗」させてるのか、わからないような態勢で結果だけ求めるのでは、選手があまりに気の毒だ。

織田選手へのレクチャーも徹底すべきだろう。今季試合で1度も成功していない4回転をここ一番の、最後の大舞台で決めるなど、普通の選手では到底できない。普通は逆なのだ、特に日本男子は。Mizumizuはかつて「織田選手は日本男子には珍しく精神力が強い」と指摘したが、今回織田選手はそれを証明してみせた。しかも、他の選手と比べても、今季最高の4+3コンビネーションではないかと思わせる完成度だった。すべてのジャッジから1〜2の加点をもらって出た点がなんと15.2点。ベルネルも4+3をかなりきれいに決めたが、それでも14.8点だ。こんなに勝負強い選手が、ルールの理解不足で何度も大きな点を失い、教えられたわけでもないのにもっている、自身の稀有な強みを生かせないなど、愚の骨頂だ。かつてプルシェンコが同じくザヤックルール違反でファイナルの勝利を逃したとき、コーチは愛弟子を公けの場で叱りつけた。以来プルシェンコは同じ過ちを繰り返さなかった。このミスだけは、もう2度と繰り返してはならない。



最終更新日時 2009年3月28日 10時4分58秒
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2009年3月27日

祝! ライザチェック世界選手権初制覇&日本男子オリンピック3枠獲得!
[ Figure Skating(2008-2009) ]  

男子フリーが終わり、結果とともにプロトコルが出た。きのう書いたショートでの判定予想は、「チャンのフリップにwrong edge判定が出たかもしれない」以外は当たっていた。

今回混戦の男子を制したのは、昨シーズンの怪我が響いたのか4回転の成功率が落ち、今シーズン初めは成績が出ず、「世代交代」などと囁かれていたアメリカのライザチェック選手だった。思えば、ライザチェックの今シーズンは、本当に可哀相だった。執拗なトリプルアクセルに対するダウングレード(これは4大陸にいたるまで、毎試合毎試合ダウングレード判定された)、ときどき思い出したようにつくフリップへの!判定、そしてカナダに行ったとたんに爆サゲされる演技・構成点。アメリカ選手はそもそも日本選手同様、非常に品行方正でライザチェックもその例にもれないが、さすがにこのときはライザチェックもブチ切れて、「審判は採点について説明すべき」と声を上げた。いや、本当にごもっとも。

今回はライザチェックのトリプルアクセルに対するダウングレード判定が1つもなかった。スローで見たが、降りてからエッジが微妙に回っているように見えるジャンプもないわけではなかったが、あの程度なら本来ダウングレードなどすべきではない。

ベルネル選手の復活も嬉しいニュースだ。もともと地力のある選手なのに、自爆を繰り返して結果が出なかった。ここに来て調子を戻してきたのはさすがというべきだろう。だが、ベルネル選手、ジュベール選手を見て、つくづく4回転を入れて後半までジャンプをミスなくまとめることの難しさを実感した。ベルネル選手は後半のジャンプが2回転になってしまったし、ジュベール選手は4回転を入れると起こる失敗のパターン、「2つの3A(4回転の次に難しい)のうちの1つで失敗。後半の普段なら跳べるジャンプでの失敗」に見事にはまった。

4回転を回避してミスなくすべった今回のライザチェックの演技・構成点は、79点とものすごく高い(ちなみにカナダでは、70点そこそこまで爆サゲされたのだ)。今回ちょっと高すぎる感はあるが、80点は越していないこと、開催がアメリカで地元だったこと、それにライザチェックの実績と今日の素晴らしい出来を考えれば、このくらい出して選手に報いるのはフィギュアの伝統だと言える。

明暗を分けたのは、全米までは非常に高い点を出していたアボット選手。アボット選手はもともと、ライザチェック選手より3Aが得意で、3Aをステップから跳んでしまうほどの実力なのだが、その彼がショートで3Aでダウングレードされてしまった。本人も、「長いシーズンで疲れている」と言っていたらしいが、さもありなん。今シーズンの選手の疲労は、試合数やショーの回数に見事に比例している。最初に全米でウィアー選手が力尽き、今回はアボット選手。

そんななかでは、日本の小塚選手はよくやったと思う。今回は全体にジャンプの高さがなくなり、着氷がギリギリになってしまうジャンプが多かった。最初は上半身を大きく使った表現ができていたが、後半は明らかにスタミナ切れ。それでもアボット選手のような崩れかたはしなかった。

さて、今回の男子の結果だが、点数から見れば、期待はずれだったことは確かだ。3枠確保はできたのでめでたいが、本当は織田選手か小塚選手が台にのぼることをMizumizuは期待していた。バンクーバーを控えてチャンがアゲられることはわかっていたし、アメリカ選手にも有利な点が出ることも予想できたが、日本選手は思った以上に点がもらえなかった。

一番衝撃的だったのは、4T+3Tをついにきれいに決めた織田選手の驚くような低得点だろう。

演技・構成点が最終グループでないにせよ低すぎたのは、昨季を棒に振ってしまったツケが出たかもしれない。チャン選手は、「今回の世界選手権の点は過去の実績に左右されている」と指摘したが、確かにグランプリ・シリーズとは違って、特に演技・構成点がかなり過去の実績重視だったように思う。これはフィギュアの世界では伝統のようなもので、むしろグランプリ・シリーズの派手に上がったり下がったりする演技・構成点の出方が変だったのだ。さすがに、もっとも格式の高い世界選手権では、チャン選手の演技・構成点は76.1点、75点の壁を少し越えたところというのは非常に妥当だった。カナダでのオリンピックを控えて、盛り上げるためにもオリンピック開催地の選手を多少アゲるというのは、よくあることだし、そもそもチャン選手は東洋的な繊細さと西洋的な優雅さをもった、得がたい表現力のある選手だ。それでもいきなり80点を越える点を与えるなど、あからさまで下品すぎた。

一方、織田選手の点が出なかったのは、演技・構成点がおさえられたことに加え、ジャンプの回数規定にひっかかって、連続ジャンプが1つまったく点にならなかったことが最大の原因だ。キス&クライでも、感激の涙にむせっていた織田選手が、点が出て「あれっ」という顔になり、それからモロゾフに何か囁かれて、そこで気づいたらしい。本田氏の解説がすべてを語っているのだが、分からない人のために、もう1度説明しよう。

織田選手のフリーのジャンプの構成と得点。
(基礎点)GOE後の実際の得点
4T+3T (13.8)15.2
3A (8.2)5.4
3S+3T(8.5)9.3
ここから後半
3A+SEQ(7.22)8.42 (SEQとは連続ジャンプにしなければいけない箇所を単独ジャンプにしたということ)
3Lo(5.5)6.5
3F+2T+2Lo(0)0
3Lz(6.6)7.2
2A(3.85)4.65
ジャンプの挿入回数の規定、それは「3回転以上のジャンプは2種類まで2度入れることができる。ただし、そのうち少なくとも1つは連続ジャンプ(コンビネーションもしくはシークエンス)にしなければならない」「フリーでジャンプを入れられるのは8回、連続ジャンプを跳んでいいのは、そのうち3回」。

さて、では、織田選手のフリーのジャンプはこの規定のどこに引っかかったのでしょうか?

答えは「連続ジャンプの挿入回数」。実際に織田選手が跳んだ連続ジャンプは3回。それだけ見れば規定違反はしていないように見える。

ところが!

3Aを2度入れる織田選手は、どちらか1つを連続ジャンプにしなければいけないところを両方単独ジャンプにしてしまった。この場合、2つの3Aのうちの1つはたとえ単独だったとしても強制的に連続ジャンプの回数としてカウントされてしまうのだ。

つまり織田選手は、4T+3T、3S+3T、3F+2T+2Loの実際の3つの連続ジャンプに加え、後半の3A+SEQで幻の連続ジャンプを行ったことになる。計4つ。3つしか跳べない連続ジャンプを4回挿入したために、3F+2T+2Loはキックアウトとなり、0点になってしまった。

やはり最初の4Tを連続ジャンプにしたのが失敗だった。
通常織田選手の前半の連続ジャンプは
4T
3A+3T
3S
という構成になっている。これがベーシックな構成だ。このまま行けば問題なかった。連続ジャンプは基礎点の単純な足し算なので、4Tにつけようが3Aにつけようが変わりはない。

なんでそんなことしてしまったのか??

正直、わからない。わからないが、1つ絡んでいそうなのが、織田選手が2つの3Aをどうあっても決めるために編み出した不思議なリカバリー方法。すでに書いたが、織田選手は最初の3Aを連続にできなかった場合、あえてルールを無視して、後半の3Aも単独にするという作戦をとっていた。
NHK杯での織田選手のフリー
4T(失敗)
3A(着氷乱れで連続ジャンプにできず)
3S+3T
(後半)
3A+SEQ(あえて単独に留めた2度めの3A)
3F+3T+2Lo
3Lz
3Lo
2A
という方法だ。つまり3A+3Tの3Tをすぐ次の3Sにつけるという方法。これなら、見かけ上連続ジャンプは2回だが、ルール上は3度入っていることになり、ギリギリで問題はないということになる。

ただこれはあくまで最初の4Tが単独だった場合に有効であって、4Tを連続にしてしまったら、3Sは単独に留めて、あとは意地でも3Aを連続にするか、あえて3Aを単独にして連続ジャンプの回数を2度(それでルール上は3度になる)に留める必要があった。ちなみにチャン選手とベルネル選手は2度目の3Aにむりやり1Tをつけて連続にしている。

そもそも織田・高橋選手は挿入可能なジャンプ回数での勘違いによるルール違反が多すぎる。織田選手はこれで3度目じゃないだろうか。高橋選手もオリンピックと昨季の世界選手権でやっている。今回は連続ジャンプの挿入可能回数の勘違いだが、同じ種類のジャンプを3度入れてしまったと(見なされた)いうこともあった。小塚選手にはこうした失敗はない(と思う)。いったい何回やれば気がすむのよ。信じられないバカな失敗だ。もちろん、織田選手本人の頭が悪いといってしまえばそこまでだが、モロゾフに加えて、ジャッジの資格もある城田氏がついていて、なんでこんなことになるのか。

日本スケート連盟は、不祥事で辞任した城田氏をわざわざ復帰させ、安藤・村主・織田選手のバックアップスタッフとして試合に同行させた。じゃあ、佐藤陣営の小塚選手と浅田選手はバックアップしないのかよという、連盟内の亀裂ぶりをうかがわせる変な決定だし、そもそも城田氏が復帰したあとの今季の全日本で、中野選手(佐藤陣営)・浅田選手へのジャッジが非常に厳しく、村主選手には甘いという気分の悪いことが起こった。

彼女が権勢を振るっていたトリノ五輪直前の全日本でも、3Aを2度決めた浅田選手が2位、村主選手が1位、しかも直前のファイナルで台にのぼった中野選手をはずして、当時調子の悪かった安藤選手がオリンピック代表になるという不快な選考が行われたのだ。男子に関しては、あろうことかジャッジのミスで織田選手のザヤックルール違反を見逃し、高橋・織田の順位が後から入れ替わるとなんていうことが起こった。このときも城田氏が「やり直し」の表彰式で織田選手に何か説明していたっけ。

多少ダーティな部分があっても、国際舞台で日本選手が活躍できるようお膳立てができるなら文句は言わない。日本スケート連盟は彼女の人脈を復帰の理由にあげている。ところが、ジャンプの挿入回数規定のルール違反での減点など、基本的なところでバックアップしてる選手がミスってどうするのか。しかも、何度も。城田氏はトリノで高橋選手がザヤックルールに引っかかったときも、キス&クライで一緒にいたのだ。

織田選手は、「リカバリーの方法は何種類も作っている」と言っていたが、今回の勘違いには間違いなく、ルールを無視した3A2度決めるための作戦が絡んでいると思う。あまりひねったリカバリーは危険ではないか。そもそも、今まで決めたことのない4Tをせっかく決めたのに、そこをわざわざ連続にしたあげく、3F+2T+2Loの大きな点をキックアウトで失うなんて、アホとしかいいようがない。

一方の小塚選手だが、こちらも世界選手権でいきなり4回転回避策に転換したことが裏目に出てしまったようだ。

今回の小塚選手のフリーのジャンプ
2A(3.5)4.9
3A(8.2)7.08
3F(5.5)6.3
後半
3S+2T+2Lo(<)(6.93)5.73
3Lz+2T(8.03)8.03
3Lo(5.5)5.5
3A+2T(10.45)9.89
3Lz(6.6)6.6
合計点54.03

4大陸での小塚選手のフリーのジャンプ
4T (9.8)5(転倒により、これからマイナス1の減点で4点)
3A+3T(12.2)13
3F(5.5)6.7
後半
3S+2T(6.38)6.98
3Lz+2T+2Lo(9.68)9.88
3Lo(5.5)6.1
3A(<)(3.85)1.89
3Lz(6.6)7.4
合計点55.95

今回非常に痛かったのは、これまで鉄壁だった最初の3A+3Tを連続ジャンプに出来なかったことだ。4大陸ではこの最初の連続ジャンプで13点もの点を稼ぎ出している。全日本でも13.8点。

大一番で急にジャンプ構成を変えることの怖さがここにある。普通に考えれば、今まで4回転でコケて流れが止まっても、必ず連続ジャンプにできていた。
<う、また文字制限>


最終更新日時 2009年3月27日 22時21分4秒
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2009年3月26日

フィギュア・スケート世界選手権、男子ショートプログラム
[ Figure Skating(2008-2009) ]  

ロスで行われているフィギュア・スケートの男子ショートプログラムが終わった。たった今フジテレビ地上波の録画中継を見終わったところなのだが、「これまでのグランプリ・シリーズは何だったんだ?」と思うような点数だった。

気の早い記者は、グランプリ・シリーズで上位に来る男子選手のメンツを見て、「男子は世代交代」と書いたが、結局今回のショートの順位を見ると、
1 ジュベール(46+38.4)
2 ライザチェック(44.4+38.3)
3 チャン(45.6+36.95)
4 ベルネル
5 小塚
と、今シーズン始まる前に予想された実力者が上に来た。チャンは若手だが、もともと昨シーズンの世界チャンピオンを国内大会で破った選手だ。ジャンプが不安定で昨シーズンは大きな大会で結果が出なかったが、ジャンプを決めてくれば世界トップを争える。

一方で、グランプリ・ファイナルと全米を制したアボットは中継さえされず(苦笑)、順位だけ確認したら10位。

上位選手の点を見ると、4大陸で下品ともいえる爆アゲされたチャンが、見た目のできのわりには案外点が伸びずに82.55点。そのチャンとの対戦で、カナダ大会でサゲられまくったアメリカのライザチェックが、今度は演技・構成点でチャンを1.35点上回る評価を得て、82.7点で2位。そして、連続ジャンプの4回転で手をつき、続くセカンドジャンプの3回転トゥループでは、本田武史をして、「回転不足判定にされそうなジャンプ」と言わしめる不足ジャンプのジュベールが、案外点が下がらずに84.4点で1位。

まだプロトコルを見ていないのだが、あえて見ずに予想すると、ジュベールのセカンドの3Tはダウングレード判定されず、認定されたのではないか。着氷があれだけ乱れると、GOEでは当然減点になるが、回転不足判定されなければ点がガクンと下がることはない。何度か指摘したが、セカンドの3Tは総じて認定されやすい。キム選手がこれまで何度か3F+3Tの3Tでグリ降り(降りてからエッジがグイっと回ること。多少足りないジャンプに見られる現象)をしたが、いずれもダウングレード判定されず、認定→加点になっている。

そして、チャンはフリップのエッジがアウトだったように見えた。ここでwrong edge判定されてしまったのではないか。それと4大陸ではレベル4にテンコ盛りの加点のついたストレートラインステップがレベル3に留まったのかもしれない。

チャンの「4大陸と比較すると、出来のわりには低い点」はやはり気になった記者もいたようだ。「ジャッジは今回チャンに88.90点のシーズンベストには程遠い82.55点という点を与えた」と4大陸の点を引き合いに出して書いた英語の記事があった。4大陸はあまりにひどかった。あのような地元選手の爆アゲは、大会の格式をキズつける。一方で、今回の82.55点というのは、ややおさえ気味かもしれない。もう2点ぐらい出てもおかしくない出来だったと思う。

男子シングルは、ジュベールとチャンの「舌戦」がアメリカ人記者の話題にのぼっていた。日本では報道されなかったが、仕掛けたのは、もちろん「永遠の不良少年」ジュベールのほう。

「男子のチャンピオンは4回転も跳べないようなヤツがなるべきではない。(チャンへ)4回転入れてみろよ。そうすればどれだけプログラムをまとめるのが難しくなるかわかるから」と攻撃すれば、チャンは、「プログラムはトータルのパッケージだと考えるべき。ジャンプだけではなく、他の要素も大事」と返す。

こうした互いに一歩も引かない2人の対決は見事だと思う。人は誰でも自分が正しいと思ったことを主張する権利がある。フィギュアの選手は特に、我こそは世界一と自分に言い聞かせてリンクに上がらないと、気持ちで負けてしまう。ジュベールの意見もチャンの意見もそれぞれに一理ある。今季のグランプリシリーズは、3回転ジャンプやダブルアクセルにやたら加点し、トリプルアクセル(女子ではセカンドの3ループ)のダウングレード判定がやたらと厳しいなど、大技に挑戦するジャンパーのモチベーションをあえて阻害するような採点が続いたが、今回ジャッジはジュベールに技術点、演技・構成点とも最も高い点を与えた。

だが、ジュベールは自分の出来に満足していなかったはずだ。演技終了時の暗い顔を見ればわかる。一方のチャンは大満足で、出てきた点数に落胆していた。Mizumizuも今回はチャンの演技が一番華があったと思う。何より、フィギュア・スケートでもっとも好まれる「優雅な色気」があるのがいい。

小塚選手も思った以上に点がでなかった。だが、出来は素晴らしかった。小塚選手は今シーズン、フルに戦い、しかもどの試合でもフリーでは高難度のジャンプ構成を組んできた。疲労はピークだと思うし、ジャンプに若干高さがないのが気になるが、ここまでまとめきるのは見事。クリーンでシャープなエッジ遣いと若々しく清潔な表現力は、チャン選手とは別の意味で見ていてうっとりさせてくれる。

フリーではようやく、「4回転回避して、後半のジャンプを決める」と明言した。

中京テレビ公式サイトから小塚選手のインタビュー引用:「今回は(オリンピック)3枠確保が優先なので、ただ挑戦するだけじゃなくて挑戦するなら必ず成功する。そうでなければ四回転はやらないと、“ケジメ”をつけてやら無いといけないと思うので、四回転にこだわらず、その後のジャンプがカギを握ると思うのでそっちに力を注ぎたい。」

本当はもっと早く方針転換するべきだった。繰り返し指摘してきたが、小塚選手のプログラムは、後半の後半に勝負のトリプルアクセルが来る。それを成功させたのは1回だけ。今季は4回転を入れてそのたびに点を失い続けた。4回転に挑戦するなと言っているのではない。まだ試合で入れるのは早いと言っているだけだ。

チャンや織田選手は後半の初めに2度目のトリプルアクセルを入れている。ジュベールは後半に入れるのをさけ、前半に2つ跳んでしまう(今回は構成を変えてくるかもしれないが、少なくとも欧州選手権ではそうやって2つのトリプルアクセルを決めた)。彼らと比較しても、小塚選手の場合、2度目のトリプルアクセルを決めるのが難しいのだ。跳べない4回転にいつまでも「果敢に挑戦」している場合ではない。

そのあたりも本人はわかっているようで、「挑戦するなら必ず成功しなければならない」とハッキリ言っていた。決められないものは回避して、より優先順位の高いジャンプに注力する。当然のことだ。

4回転のかわりに3Tではなくダブルアクセルにするというのもいい判断だと思う。なるたけ負担を軽くしないと、ジャンプをミスなく決めるのは難しい。後半のトリプルアクセルは加点を考えると10点近い点が稼げるジャンプなのだ。だが、やはりちょっと戦略転換が遅かったのが気になる。4回転回避策は、これまでやっていないことだ。これで今回、構成上難しい位置にある2度目のトリプルアクセルを決められるかどうか、まだ微妙だと思う。2Aの加点も、グランプリ・シリーズほどはもらえないかもしれない。

どうもダウングレードやwrong edgeの判定、GOEのつき方、演技・構成点での評価が、試合(開催地によって、というのかジャッジによって、というのか)によってあまりに違いすぎて、戦略を立てるのが難しい。今季のジャッジングはフィギュア・スケートの審判に対する信頼を大きく損ねたと思う。

織田選手の壁激突は、いかにも残念。7位でフリーを最終グループで滑れないということは、台にのぼるのはほぼ絶望的だ(もちろん、試合なので何があるかわからないが、最終グループに残らないと、演技・構成点がおさえられてしまうのだ)。4回転に挑戦すると言っているし、これが吉とでるか凶とでるかはやってみないとわからないが、これまでも「練習では9割決まっている」と言っている4回転、試合では一度も決めたことがない。

ルッツを2つ入れている小塚選手以上に織田選手はジャンプ構成を落として、4回転と2回のトリプルアクセルにかけてきている。4回転と3Aに失敗が出ると、3枠確保が難しくなるかもしれない。それが最悪のシナリオ。3枠取れないとなると、高橋・織田・小塚の素晴らしい選手のうちの1人が、一番いい時期にオリンピックに出られないという悲劇が起こる。なんとか3枠確保に、頑張って欲しい。

期待したほど点が出なかったが、それはそれ。仕方のないことだ。目標は3枠確保! 何より自分がオリンピックに出るために、自分の力で取ってほしい。




最終更新日時 2009年3月26日 20時4分59秒
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2009年3月25日

池国で馬刺しと山賊焼きに舌鼓、松本の庶民の店のレベルの高さに脱帽
[ Travel(日本) ]  

夜は馬刺しが食べたいな、と思った。なにしろ、東京ではあまり食べる機会がない。松本ではあちこちに「馬刺し」の看板が出ている。

だが、酒のつまみという感覚なのか、馬刺しがある店はいかにも居酒屋風。連れ合いがお酒がダメな人で、しかも酒場のガヤガヤした雰囲気も嫌いなので、定食屋風で馬刺しのある店を探した。

…とはいっても、ホテル周辺にそもそもあんまり店がない(苦笑)。暗い道を歩いていると、夜になって底冷えが厳しくなった街は、東京より確実に1ヶ月は冬に逆戻りしている。人通りも少ない。寂しいなぁ。やっぱりゴーストタウンみたい。

たまたま見つけたのが、「池国」という店。
飲み屋
暗闇に浮かび上がる民芸調の店構えに雰囲気がある。メニューを見たら、お酒もあるけれど、鍋や定食もあって、単品での馬刺しもある。

引き戸を開けて中に入ると、とても家庭的な雰囲気。お客さんもだいぶ入っていて、みんな鍋をつついている。アタリそうな予感♪♪

メニュー

値段そのものは、東京と比べてそれほど安くはない。

蜂の子って、あの蛆虫みたいのだよね? あ〜、食文化に偏見もつのはいけないが、あれだけは勘弁してほしい。それに、イナゴがメニューにあるってのもスゴイ。

だが、長野で生まれて育った連れ合いによると、少年時代、かーちゃんに言われて田んぼに行き、虫獲り網でイナゴを捕まえてくるのは彼の役目だったとか。そして、家に持って帰ると、かーちゃんがフライパンで炒ってくれたという。

ほ、ほんとか?

Mizumizu「た、食べたの?」
連れ合い「食べたよ」
Mizumizu「どんな味」
連れ合い「甘辛くて佃煮みたいな味」
Mizumizu「…」

連れ合い母が若いころの話はもっとスゴイ。おやつにそこらの蛾とか蛇(青大将)をつかまえて、火に投げ込んで食べてたとか。蛾のような昆虫系統は羽をむしって手でもんで火にくべるのが美味しく(??)食べるコツだそう。青大将は、連れ合い母的にはまずいらしい。

この話を東京に来て同年代の女性に話したら心底驚かれたことに、連れ合い母は驚いたらしい。

つーか、ふつう驚くだろう、そのおやつ話

そういや、連れ合いは、「子供のころ、土壁の家ってあったよね〜」などと言ってMizumizuを驚かす。

土壁の家? はて? 見た記憶はないなぁ。

キミはいつの時代のヒトやねん。1つ年下のハズですが。

さてさて、池国では、「馬刺しのハーフ」「山賊焼き定食」「焼肉丼」を頼んでみた。
馬刺し
しょうが醤油につけていただく馬刺しはとてもグー。

東京ではどうして食べないのかな。なんとなく…だが、東京の人間は馬を食べるということに、多少抵抗があるような気がする。

そして、予想外のヒットだったのが山賊焼き。

山賊焼き

すごい山盛りのごはん…(苦笑)。高校球児じゃないんだから… 松本のヒトってみんなこんな山盛りごはんを食べるの?

山賊焼きというメニューも、あちこちで見るのだが、食べたことなかった。連れ合いにとっては懐かしい味で、店屋で食べるというより、肉屋で買ってくるモノだったらしい。

しょうが、ニンニク、蜂蜜などを入れた醤油に鶏肉をつけこんで、片栗粉をまぶして揚げたものらしい。

ってことは、山賊焼きじゃなくて、山賊揚げじゃないの? その場合… もっと言えば、唐揚げのバリエーションだと思ふ

なぜ「焼き」なのかはともかく、食べてみたらことのほか美味。

う〜ん、恐るべし松本。食べ物にハズレがない。以前、松本一のフレンチの店というところに行って、たいしたことなかったので侮っていたが、ふつうに庶民が食べるものがこれほどおいしいとはオドロキ。すなわち、それだけ食文化のレベルが高いということだ。

ちなみに焼肉丼は、甘辛く味付けしたつゆがたっぷりしみこんだごはんに、豚肉とタマネギ、それに青いものが少しのっている。こちらはまあまあかな。個人的には山賊焼きのほうが好きだった。

ふらっと入った店だったのだが、満足・満足。軽井沢もこのくらいおいしいといいのに。あそこはホテルはそれなりのがあるが、街や店がもう原宿化しすぎている。松本は正直、今回ホテルはあまり… カフェのおばさんは「素敵なところ」と言っていたけど、あれはたぶん外から見てるとそう見えるだけだな。まだ新しいし、場所もいいし、値段も安いし、それほど悪くはないが、ハッキリ言って、リピートはしない。

















最終更新日時 2009年3月26日 3時41分49秒
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2009年3月24日

松本でのカルチャーショック、その2
[ Travel(日本) ]  

見逃されがちだが、日本という国には、田舎の細い路地にいたるまで町がとても清潔だという美点がある。

松本も観光客の来ないような住宅街の路地に迷い込んでも、道にゴミ1つ落ちていない。こういう国は、実はそう多くはないのだ。

ホテルでもらった絵地図がわかりやすくて助かった。街の見所もいろいろ書いてある。
「懐かしい雰囲気の路地」と書いてあるあたりを歩いてみる。
松本の景色
店先のディテールに、思いがけない美しさがあった。人目に触れる小さな空間を、さりげなく飾って演出している。

馬刺し
馬刺しって、そういうえば、東京では食べないなぁ。北海道の札幌にいたころは、ときどきスーパーで買っていたけど、東京のスーパーではあまり見ない。

湧き水
澄んだ湧き水がきれいだった。ウチの近所のドブ川の善福寺川とはえらい違いだ。

「タウンスニーカー」という市内バスで松本城の近くまで戻る。

絵地図で「大正ロマンの町」と書いてあるエリアに行ってみる。
すると、東門の井戸のあたりで、ヨーロッパ風の建物に出会った。
大正ロマン
鉢の置き方にもセンスがある。

喫茶もやっているようなので、入ってみたら、「舶来小物」が売られている中に、大きなテーブルが2つ。コーヒーを頼んだら、「いただきものですが」といって、カステラまで出てきた。「XXのカステラ」とちゃんと提供先の店まで言ってくれる律儀さ。残念ながら、何て店だか、聞いてもすぐ忘れてしまったケド(笑)。
コーヒーとカステラ
これで300円!? クラクラ… 安すぎる。コーヒーはアメリカンながら、ちゃんと淹れてる香りがした。使っている食器もおしゃれだし、カステラもちゃんとしたところで作ったやさしい味。スーパーやコンビニで売られてるモノとは違う。

松本の和菓子屋では、案外カステラをよく見る気がする。東京では自家製のカステラ置いてる和菓子屋ってあまり見ない(カステラ専門店で、カステラだけを売っている感じ)ので、軽いカルチャーショックだった。

支払いをしようと、財布を見たらあいにく1万円札と細かいのは200円しかなかった。

「すいません、1万円でいいですか?」
「あっ… 細かいの、ない?」

しゃきしゃきしゃべるおばさんだ。

「すいません、たまたまなくて」
「あらあら、こっちもお釣りがないのよ」

えっ… ど、どうしよう?

「じゃあ、いいわ! あとで持ってきてくれれば」

は? 客にあとから持って来いって? 
そうやって帰してしまっていいのか? 一見の観光客だぞ。

「何時までやってますか?」
「5時まで!」

ご、ご、5時? 

喫茶店兼店舗が午後5時に閉まるの? おきな堂の6時閉店にもびっくりしたが、その上を行ってる!

5時に早々と閉まっちゃったら、仕事してる人は来れんじゃん。

時計を見ると、すでに午後3時を回っている。

「ご、ごじですか…」

戸惑ってるMizumizuを見て、

「あ、もし閉まってたら、ここ(と、ドアのほうに移動して)の隙間から投げておいて」

と、じゃんじゃん一方的に指示する女主人。いーのか? どこから来たともしれない観光客をいきなりそんなに信頼しちゃって取りっぱぐれても。

「じゃあ、とりあえず200円お支払いして。ホテルはアルモニービアンというところですから」
「あるもにー…? あ、勧銀だったところ?」

確かにホテルは、もとは銀行の建物だったと聞いていたので、

「あ、そうです。たぶん」
「ま〜。素敵なところに」

宿泊先を告げてみたのは、もしかして、「あ、じゃあ夜にでもホテルに取りに伺いましょうか」と言ってくれるかな、と思ったからなのだが、そんな気は毛ほどもないらしい。

どこかの店でちょっと買い物してくずして持ってくればいいやと、とりあえず100円借金して店を出た。

額の大小にかかわらず、借金が大嫌いなMizumizu。「キャッシング」だとか「リボ払い」なども大嫌い。利息を取る以上、借金の言い方を変えただけじゃん、あんなの。家もキャッシュで買った人間なのだ。「借りてるお金がある」「早く返さなくちゃ」というのが精神的に負担になって、それ以外のことが考えられなくなる性格だし、そもそもMizumizuにとっては、借金してまで欲しいと思うようなものは、ない。

店を出て、お土産を売ってる店を捜したのだが、案外ない。気がついたらホテルのある大名通りに戻っていた。

ホテルは午後3時からチェックインできるので、いったんホテルに戻り、少し休んでから近所のお土産屋で蕎麦を買い、万札をくずして、喫茶店まで行った。

午後5時ちょっと前だったのだが、すでに店は閉まっていた(苦笑)。

だが、ドアから覗くと女主人がまだいて、こちらに気づいて開けてくれた。

お金を受け取り、

「どうも」

と言って、あっさり店の奥にひっこむおばさん。「わざわざありがとうございました」「どうもすいません。ご迷惑おかけして」なんていう一言もなかった。東京の人間なら、そこまで思ってなくてもオーバーにお礼を言いそうだ。

なんか、不思議(苦笑)。
















最終更新日時 2009年3月25日 15時46分51秒
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