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【主張】中国の軍事力 透明性高める責任果たせ

2009.3.30 03:31
このニュースのトピックス主張

 米国防総省が年次報告「中国の軍事力」を発表し、国産空母建造や戦略核ミサイル搭載原子力潜水艦の増強などの動きが目立つ一方で、透明性は相変わらず低いと指摘した。中国の行動がアジアの軍事的均衡を変化させ、大きな不安定要因になっている現状に警鐘を鳴らしている。

 今回の報告は、近年の海軍力増強に焦点をあてるとともに、軍事的透明性の拡大について「中国は大国の責任としてでなく、交渉の取引材料とみている」ことを問題視している。透明性の確保は日米がこれまで再三申し入れてきた問題でもあった。中国政府はこの点について認識を根底から改める必要があるのではないか。

 報告は米国防支出法に基づいて毎年、議会に提出され、2009年版で8つ目だ。今回は「中国は初の国産空母建造に意欲的で、2020年までに複数の空母を建造する方針」との予測を初めて示した。米本土を狙える潜水艦発射弾道ミサイル搭載の原潜艦隊も増強中で、海中からの核攻撃能力が「09〜10年に初めて実戦運用段階に入る」とも分析している。

 短距離ミサイルや空軍力などの増強も続き、台湾にとっての脅威はいぜん高い。台湾海峡で台湾の制空権が失われているだけでなく、有事の際に「米軍の支援を抑止、遅延、拒否する能力も備えつつある」との見通しを示した。

 だが、何といっても最大の問題は、中国が20年以上も連続して2ケタの国防費増加を進める意図や戦略目的をいまだに説明しようとしていないことだろう。

 報告は、透明性がやや改善されたとしながらも、軍事予算の過少報告や戦略などに関する説明がないために、「中国の狙いや目標が何のためなのかという疑問を国際社会に抱かせる」と述べている。最新技術への投資や地域制圧能力に加えて核、宇宙、サイバー分野でも増強が進み、「アジア太平洋を越えて影響をおよぼしている」ことにも懸念を表明している。

 今回は米新政権下で初めての報告としても注目されたが、こうした異常な増強ぶりと説明不足を率直に挙げた。対中関係の再構築をめざすオバマ政権も、前政権同様に軍事面の警戒を怠っていないことを示すものとみるべきだ。

 透明性の欠如は地域の懸念をあおり、誤算や誤解のもとになる。中国は自らの責任を強く自覚し、透明性を高めてもらいたい。

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