準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)が二階俊博経済産業相の関連政治団体「関西新風会」(大阪市)の事務所費を補てんしていたとされる問題で、関西新風会にマンションの一室を貸していた東京都内の設計会社が、二階氏側からの家賃支払いが遅れた際に西松建設総務部に連絡していたことが、関係者の話で分かった。連絡を受けた西松建設は、社員らの名義を使って二階氏が代表を務める自民党和歌山県第3選挙区支部に家賃相当分を献金して穴埋めしたという。
また、設計会社がこのマンションの部屋を購入・改装した際の費用が総額約4000万円に上り、西松建設が設計会社にその分を融資したとみられることも関係者への取材で判明。西松側が関西新風会の事務所維持のためにさまざまな便宜を図っていた疑惑が浮かび上がった。
関係者によると、06年に関西新風会からの家賃の入金が延滞した際、設計会社側は当時の西松建設総務部長(67)に入金の遅れを連絡したという。西松総務部が調べたところ、第3選挙区支部への送金が2年分行われていなかったことが判明したため、総務部長は二階氏の関係者に連絡したうえで、07年と08年に社員やその家族計60人の名義で300万円ずつ同選挙区支部に送金したという。
設計会社関係者は「二階氏側と西松に付き合いがあるのは知っていたので、筋を通そうと念のため西松に報告していた。入金が遅れた時は西松側の耳に入れておかないと大変なことになる」と説明しながらも、献金による二階氏側への補てんについては、「分からない」と話している。
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