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平成21年3月30日

千葉知事に森田氏

民主推薦候補破る、小沢氏辞任論、再燃も

picture 当選確実の報を受け、万歳する森田健作氏。右隣は妻の美子さん=29日午後8時53分、千葉市中央区
 任期満了に伴う千葉県知事選は二十九日投開票され、無所属新人の俳優で元衆院議員の森田健作氏(59)が、前いすみ鉄道社長の吉田平氏(49)=民主、社民、国民新、新党日本推薦=、関西大教授の白石真澄氏(50)ら無所属四新人を破り、初当選した。西松建設の違法献金事件で秘書が起訴された小沢一郎民主党代表が続投を表明後、初の知事選。推薦候補が大差をつけられ敗れたことで、民主党内で小沢氏の辞任論が再燃する可能性がある。投票率は前回を2・28ポイント上回る45・56%。

 二期務めた堂本暁子知事は引退を表明。自民は森田、吉田、白石の三氏の間で国会議員らの支持が分かれ、自主投票となった。

 森田氏は、自民県議の半数強から支援を受ける一方、「無党派」を強調し、保守票に加え浮動票を幅広く集めた。高い知名度や、宮崎、大阪で示された「タレント知事」による地域PR効果への期待感も背景に、終始優勢に選挙戦を展開。小差で敗れた前回知事選の雪辱を果たした。

 堂本知事から後継指名を受けた吉田氏は、野党四党や連合をバックに「千葉からの政権交代」を掲げた組織戦を展開したが、知名度不足や小沢代表の秘書起訴による逆風が響いた。

 白石氏は自民県議の一部や公明県本部の支援を受けたが浸透し切れず、社会福祉法人理事長の八田英之氏(64)=共産推薦=は共産支持層以外からの票が伸びなかった。前県議の西尾憲一氏(58)も及ばなかった。

 森田 健作氏(もりた・けんさく、本名鈴木栄治=すずき・えいじ)明治学院大法中退。69年俳優として映画デビュー。92年7月から参院議員1期、98年3月から衆院議員を2期務め、03年麗澤大客員教授。59歳。東京都出身。当選1回。

「勝因は知名度」冷静に受け止め 自民、国会議員が多数支援

 自民党は二十九日投開票の千葉県知事選で、県選出国会議員の多数が支援した森田健作氏が勝利したことについて、「麻生政権への追い風にはならない」(幹部)と冷静に受け止めている。ただ、西松建設の違法献金事件が民主党推薦の吉田平氏にマイナスに作用したとみており、続投する小沢一郎代表への批判を続ける方針だ。

 同知事選で与党は候補者の一本化に失敗。多くの自民党県選出国会議員や地方議員が森田氏の応援に回ったが、森英介法相は吉田氏を、林幹雄幹事長代理ら数人や公明党県本部は白石真澄氏をそれぞれ支援するなど対応が割れた。森田氏自身も党派にとらわれない立場を前面に出していた。こうした事情から、自民党の細田博之幹事長は同日夜、都内で記者団に「(勝因は)やはり知名度だろう。(事件も)多少は影響した」と指摘した。

 それでも、昨年九月の麻生内閣発足以降、続いている地方選での逆風傾向が弱まることへの期待も漏れる。菅義偉選対副委員長は「民主党の勢いを止めることができた」と語った。党役員の一人は「小沢代表である限り、民主党の金権イメージが定着する」と述べ、今後も小沢氏の進退をただしていく考えを示した。

 一方、公明党県本部は、自民党の対応に不満を抱いており、次期衆院選を控え地元レベルでしこりが残りそうだ。「森田氏で動いた議員は衆院選で応援しない」。ある公明党議員はこう言い切った。

厳しい民主批判 小沢代表に痛手 今後の世論で辞任論再燃も

 二十九日の千葉県知事選で民主党推薦の吉田平氏が敗れたことについて同党では、事前に苦戦が伝えられていたこともあり、小沢一郎代表の進退に直結するような事態にはならないとの見方が広がっている。しかし、公設秘書の逮捕・起訴後、与野党が対決した初の大型選挙で示された民意だけに小沢氏にとって痛手で、今後の世論の動向などによっては辞任論が強まる可能性もある。

 鳩山由紀夫幹事長は談話を発表し、「短期決戦の中で、(森田健作氏との)圧倒的な知名度の差を跳ね返すまでの後押しができなかった」と敗因を分析。今後の対応に関しては「有権者の声を糧として、一致結束してさらに信頼される党へと成長し、政権交代を成し遂げる」と強調した。

 参院幹部は取材に対し「負けは織り込み済みだ。代表の進退とは何の関係もない」と小沢氏を擁護。小沢氏周辺も「これを代表の進退、責任論に結びつけるのは無理筋だ」と辞任論をけん制した。

 一方、小沢氏と距離を置く議員の間でも「(候補擁立の遅れなど)地元の事情もあるので、これですぐに進退がどうこうということはない」「むしろ今後の世論調査が重要」との声が漏れる。ただ、先の代議士会で小沢氏に辞任を迫った小宮山洋子衆院議員は「選挙はまさに国民の声だ。そういうことも踏まえ代表が総合的に判断してくれると思っている」と改めて小沢氏の進退に言及、党内の火種はくすぶり続けている。

 同党は、告示日に鳩山氏、最終日に菅直人代表代行を選挙区に投入するなどテコ入れを図った。しかし、小沢氏自身は最終日に吉田氏の事務所を激励に訪れただけで、街頭でマイクを握る場面はなかった。

 千葉県知事選に関し、小沢氏は十七日の記者会見で「私自身の今後のこととイコールではない。質の違う話だ」として、進退判断への影響を否定していた。



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