タイミングの問題
矢部善朗弁護士・創価大学法科大学院教授は次のように述べています。
しかし、検察は秘書を逮捕するに足るネタ(証拠)をこの時期に手に入れてしまったのです。
検察の逮捕のタイミングを批判している皆さんは、では検察はどうすればよかったと言うのでしょうか?
選挙が終わるまで逮捕を控えていろ、と言うのでしょうか?
しかし,政治資金規正法(虚偽記載)の構成要件事実のうち客観的な部分についていえば,検察がこれに関する証拠を「この時期に手に入れたしまった」ことを示す報道はなされていないように思われます。矢部弁護士は,検察が上記に関するいかなる証拠をこの時期に手に入れたというのか,そして矢部弁護士はそのことをどうして知り得たのか,私には不思議でなりません。
といいますか,政治資金規正法との関係でいえば,企業が直接国会議員の政治資金団体に寄付をするのではなく,一旦特定の政治団体に寄付をしてそこから国会議員の政治資金団体に寄付をするという形をとる際に,寄付者として大本のお金の出し手を記載しなければならないのはどういう場合なのか,という多分に法律解釈の問題だったりするので,この時期に突然「ネタ」が手に入るという性質のものではないようにも思えたりします。
例えば一部で報じられているように,自公連立政権では実現する見込みはないが民主を中心とする新政権が樹立されると実現される可能性がある「取調べの可視化」等を阻止するために,何としても次の総選挙で自公連立政権を勝たせようと考えたのであれば,検察としては,投票日直前に民主党に対する不信感のみが高まるようなタイミングで小沢氏の秘書を逮捕するのがベストであり,そのタイミングを狙ってネタを暖めてきたが,麻生総理がなかなか解散に踏み切らず,このままだと任期満了までいってしまうが,そうなると公訴時効を迎えてしまうので,やむを得ずこの時期に小沢氏の秘書の逮捕に踏み切ったと考える方がまだ,「検察は秘書を逮捕するに足るネタ(証拠)をこの時期に手に入れてしまったのです」なんていうストーリーよりは信憑性が高いような気もします(あくまで,比較の問題であって,私自身そのように考えているというわけでもないのですが。)。
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Notifié le le 19/03/2009 à 10:32 AM
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