日本生まれのフィリピン人、カルデロン・のり子さん(13)が所属する蕨市立第一中学校音楽部は二十八日、蕨市の蕨市民会館で定期演奏会を開催した。
同演奏会は今回で二十一回目。保護者や地域の人々に今までの成果を発表する場として毎年開催している。同演奏会が一、二年生にとって三年生と歌う最後のステージとなったため、感極まって泣きながら歌う生徒の姿も。のり子さんは同演奏会でソプラノパートとダンスする女性の役を担当し、他の部員と共に美しい歌声と得意のダンスを披露した。
「最後とは言いたくないけど、のり子の演奏を見るのは最後になるかもしれないから」と東京入管から来月に国外退去を命じられた、のり子さんの父アランさん(36)と母サラさん(38)は、前列に座り演奏に聞き入った。終演後、アランさんは「素晴らしいステージだった。仲間同士、仲が良くなければこんなに観衆が感動する演奏はできない」と終始笑顔で話した。
一家を支援するコンサルタント男性も演奏会に訪れ「のり子さんのダンスはフィリピンの血が流れていることもあり、光るものがあった。皆、努力の成果が出ていた」と絶賛した。
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