アストロ超人候補とされるレーサー、伊集院球三郎が本物の超人であると確信した球一たち。そんな時、彼らは巨人戦中継をするラジオ放送で、客席からホームランボールをキャッチャーミットに正確に打ち返すという超人プレイをしてみせる野球少年が突然現れたとのニュースを耳にした。早速球場へ出向き、上野球二というその少年に挑む球一。球二には案の定、ボール型のアザがあったため、またも球一は新たな超人を発見したことに胸を躍らせる。だがその後、シュウロの指示に従い、アストロナインたちは残りの超人探しの旅に出たものの、その道程は難航するばかり。そんな折、球七球八兄弟が訪れた阿蘇の高校で事件が起こった。アストロ超人ファイルNo.5、カミソリの竜というその恐怖の強打者は、対戦した投手を再起不能にしてしまう男で、そこの高校のグラウンドを不自由な左手で整備していた那須球太という少年の制止を聞かずに挑んだ明智兄弟は、ボコボコにされてしまったのだ。二人の知らせを聞きかの地へ飛んできた球一は、まだ見ぬカミソリの竜への闘志を露にする。いよいよ球一と竜の対決か――。その瞬間、上空に、シュウロの操縦するヘリコプターが現れた。レース中の事故で死亡した球三郎の遺体を病院から争奪したシュウロが、空からそれを落下させるというショック療法で彼を生き返らせようとしたのだ。シュウロらが着地すると、パラシュートが開いた時の衝撃により、球一の目の前で心臓を鳴らし蘇生する球三郎。病院へ運ぼうと歓喜に沸くナイン。ひとまず球一とカミソリの竜との対決は後回しにする一同だった。
いっぽうで、アストロ対策に揺れるプロ野球界では、ロッテの金田監督がアストロ退治に名乗りを上げてきた。金田はカミソリの竜を秘密兵器として獲得していたのだ。そのニュースを見て気を吐く球一はシュウロから新たな秘策として、沢村栄治直伝の三段ドロップを編み出す地獄の特訓を受ける。血の滲む過程を経て、ナインの協力もありこれをマスターする球一。そしてようやくこの必殺技が完成すると同時に、事故時に失明していた球三郎はベッドから立ち上がった。目が見えないはずの球三郎は、球一が投げたペン先を、二本の指で瞬間的に受け止めてみせた。彼は心眼を開いたのだった――。
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脚本:公園兄弟 (真辺克彦&鴨義信) |
監督:今井和久 |
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