息子を返して・足立児相事件裁判 北村サッカー落雷事件裁判 柔道部合同合宿で起きた重傷事故

須賀川一中柔道部事故裁判

11月7日 (金曜日) 

9:30より傍聴抽選  福島地裁郡山支部1階

10:00  開廷

証人尋問順序 
1 元柔道部生徒  2 顧問教諭 3 車谷さん(母)     4 元部長の母親

17:00  閉廷の予定   終わりしだい報告集会を開きます。
    須賀川一中柔道訴訟:父「納得できない」 
               地検、顧問の教諭ら不起訴 /福島

 
 須賀川市立第一中で03年10月、当時1年の女子生徒(17)が柔道部の練習中に重体となった事故は19日までに、地検が当時の顧問の男性教諭(44)ら2人を不起訴とし、事故の捜査は暗礁に乗り上げたかたちとなった。事故から4年10カ月が経過しており、女子生徒の父親(52)は「納得できない」と憤っていた。

 地検は18日付で、男性教諭のほか副顧問の男性講師(32)を嫌疑不十分として不起訴処分とした。地検は女子生徒の障害と投げ技との因果関係が明らかでないとし、顧問らが練習に立ち会わなかったことに刑事責任を問えないと判断したとみられる。須賀川署が05年9月、2人を業務上過失傷害の疑いで書類送検していた。

 女子生徒の家族には15日、地検から不起訴の方針が伝えられたという。女子生徒は現在も意識不明のままで、父親は「娘は柔道の初心者で、きちんと指導していれば事故は起きなかった」とし、「不可抗力のけがと今回のような過失事故が同じレベルで判断されてしまった。このままでは同様の事故が起きた場合、誰にも責任を問えなくなる」と無念さを語った。近く、検察審査会に不起訴不当を申し立てるという。 
【今井美津子】 毎日新聞 2008年8月20日 地方版


家族が検察審申し立てへ/須賀川一中柔道部事故

 須賀川市の須賀川一中で2003(平成15)年10月、柔道部の練習中に当時1年生だった女子生徒(17)が意識不明になった事故で、福島地検は19日までに、業務上過失致傷の疑いで書類送検されていた同部の顧問と副顧問だった男性教諭ら2人を嫌疑不十分で不起訴処分とした。
 処分は18日付。

 同地検は「2人が練習に立ち会っていなかったことと、女子生徒がけがを負ったこととの因果関係の認定が困難」とした。
 不起訴処分が決定したことについて、女子生徒の両親は「到底納得できない。代理人と相談し、(検察審査会に)申し立てを行う方向で話を進めたい」と話した。
 坂野順一須賀川市教育長は「処分の内容を正確に把握してはいないが、多くの捜査資料や証言に基づき慎重に下された判断の結果と受け止めている」とした。
 また橋本克也市長はこの日、女子生徒宅を訪れ、女子生徒や両親を見舞った。橋本市長は「本市にとって重大な問題。今日は被害に遭われた女子生徒の回復を願って見舞いに行きました」と話した。
(2008年8月20日 福島民友ニュース)


[須賀川一中柔道部事故損害賠償請求訴訟] 
<経過>
H15/10/18 柔道部練習中事故発生。1年女子生徒が2年の男子部長に投げられ意識不明となる。現在も意識は戻っていない
H18/ 8/31 福島県、須賀川市、加害少年と母親の三者を提訴
10/ 3 第1回口頭弁論
10/13 市長が教育委員会に再調査を指示
11/28 第2回口頭弁論
H19/ 1/30 第3回口頭弁論 
3/30 市が再検証報告書を公表
4/25 第4回口頭弁論  市、県側は法的な賠償責任を認める。主な過失は監督義務違反、医療的な賠償を負うことを認めた。事故原因については否認。
6/12 第5回口頭弁論 7/10 第6回口頭弁論
9/18 第7回口頭弁論 11/ 6 第8回口頭弁論
12/25 進行協議期日 
H20/2/26 進行協議期日  4/25 進行協議期日
    6/13 弁論準備期日  7/11 弁論準備期日

第9回口頭弁論 8月8日(金)
証人尋問、本人尋問行われる・・元部長「投げた」事実を認める
 この日、予定されていた被告側の証人(元柔道部生徒)は欠席したため、原告側証人(元柔道部生徒)2名と被告元部長の計3名の尋問が行われた。
元部長の尋問の際は、被災した女子生徒が車椅子で入廷し、自分を投げた部長の発言を聞いた。
証言の概要
≪原告側証人A ≫
 記憶が薄れている部分あったが、部長がプロレスのような技で、女子生徒を腰の上に乗せてから落としたこと、女子生徒は当時受身が出来ていなかったので、この投げ技をうまく受けることは出来なかったこと、部長が、脚の怪我の痛さで泣いている女子生徒の奥襟を掴んで、廊下まで引きずっていったこと、救急車がくるまでは、大分時間がかかったように感じたこと、などをしっかりと答えた。
 被告側の反対尋問では、部長がいじめや制裁を加えたのではなく、あくまでも練習の一環として注意の意味で女子生徒を投げたと言わせたい旨を意図した質問を繰り返した。証人Aは、落ち着いてそれを否定した。
≪原告側証人B≫
 顧問教諭は週1〜2回しか部活に顔を出さなかった、受身ができているかどうかの判断も先生ではなく先輩がした、女子生徒はまだ受身ができていないと思ったと証言した。元部長が、足が痛いと休んでいた女子生徒を呼んで、連続して4〜5回投げたこと、大きな声で怒っている様子だったこと、投げられたあと泣いている女子生徒を元部長が椅子の前に連れて行って正坐させ、その後奥襟をつかんで廊下の方に引きずっていく途中に女子生徒が倒れた事を証言した。
≪元部長・本人尋問≫
○原告側弁護士の尋問に対する答弁
? 顧問の先生はあまり来なかったし、練習終了頃に顔を出すことが多かった。自分が練習計画は自分が立てて練習をしていた。副顧問の先生は柔道の経験が無かったと認識していた。
? 事故当日のことは鮮明な記憶はない。
? 女子生徒の受身はうまくはなかった。
? 乱取り練習で、本立ちをしないで座っていたので注意したら無視をされたので、頭にきた。それで練習をしないならと廊下の方へ引っぱって行った。1〜2回投げたかも・・。? 暴行はしていない。
? (初めの学校の調査で、「投げなかった」と言ったが・・。)嘘をついた。
? (プロレス技を掛けたことは・・。) 部活の休憩時間に遊んでやった。
○ 元部長の弁護士の尋問に対する答弁
? (1回目の事故で入院したことを・・。)知らなかった。 顧問からも聞いていない。
○ 裁判官尋問に対する答弁
? (注意を無視されて、怒って投げたのでしょう。)練習の指導です
? (どんな技を掛けた、かつぎ技では・・。) 体落としです。
報告集会
〈弁護士の報告〉
 今日の獲得目標は、一つは、二人の元部員の話を聞いて事実を裏付けることだった。当日、部長が女子生徒を投げて、その直後に具合が悪くなったことははっきりしている。重要なことは、当時女子生徒は受身が上手にできなかったことを部長本人も認めている。
 そこから推測できる因果関係はどういうものだったか、部長がしたことで女子生徒がこういう状態になったことは推認できるのではないか。もう一つは、元部長は詳しくは覚えていないと言い、陳述書にも(知らない、分からないと)書いているが、彼は詳細に記憶している。
 当日のことを弁護士から聞かれて、不自然な答弁をいろいろしている。これは何を意味するのかということも推測できると思う。今後、裁判所の書記官の記録を詳細に分析して具体的に何をしたのか主張していきたい。
<女子生徒の父親の話>
 事故から5年たち大きな節目がきた。民事裁判の難しさか5年も経つと証言内容が薄れてしまう。事故直後だったら事故の内容を鮮明に証言できたと思うのだが。
 刑事の方は現場検証も行い、証拠もつかんでいて、元部長がしたことが原因と分かっている訳だが、彼は当時少年で法で罰することはできないとされた。検察の方の証拠を民事で使うことができればと思うのだが、今の日本の法体系の決まりで使うことができない。残念でならない。
 今日の元部長の証言の様子を見ると、自分の都合の悪い事は何度も記憶にないとか言い、平然としていた。しかし、学校が出してきた資料と本人の言っている事の違いがだいぶあった。11月には柔道部顧問らの証人尋問が予定されているので、こういった矛盾点と事故報告書のおかしさやでたらめさなど正していきたい。 
   
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