■■■■■■■■■ JOG Wing ■ 国際派日本人の情報ファイル■ アジア諸国に評価され、信頼される日本 〜 「アジア7か国世論調査」から 〜 伊勢雅臣 ■転送歓迎■ No.1190 ■ H18.09.25 ■ 8,554 部 ■■■■■■■ 「日本がアジアの一員として、アジア発展のために積極的な 役割を果たしている」「日本が世界に良い影響を与えている」 読売新聞などによる「アジア7か国世論調査」では、こうい う声が圧倒的だった。[1] 「あなたは、日本が、アジアの一員として、アジアの発展の ために積極的な役割を果たしていると思いますか、そうは思 いませんか」という設問で、「大いに果たしている」と「多 少は果たしている」を加えた比率は: インド:80%、インドネシア:89%、マレーシア:87 %、タイ:91%、ベトナム:90%、韓国38% と、圧倒的に肯定的評価が高い。韓国のみが「我が道を行く」 という所。 東南アジア4か国では、同じ質問をした96年の調査から 6〜18ポイント増加しており、日本の評価はこの10年間 でさらに高まった、という。[2] 「あなたは、現在の自国と日本の関係は、良いと思いますか、 悪いと思いますか」という質問で、「非常に良い」「どちら かといえば良い」の比率は: インド:90%、インドネシア:96%、マレーシア:89 %、タイ:96%、ベトナム:92%、韓国:12% 「あなたは、日本を、信頼できると思いますか、信頼できな いと思いますか」に対して「大いに」「多少は」の比率は: インド:83%、インドネシア:87%、マレーシア:77 %、タイ:91%、ベトナム:75%、韓国:11% 読売新聞は、この結果を次のように分析している。[2] 日本に「良い印象」を持つ人は、マレーシアで「非常に」 「どちらかといえば」を合わせて計91%、タイ、ベトナ ムでは計89%に上るなど東南アジアで大多数を占めた。 とくに、インドネシアでは、同じ質問をした95年調査か ら23ポイントも増加し、計94%に達した。 インドネシア大使館のロニー・ユリアントロ参事官は 「インド洋大津波の際、自衛隊が被災地で医療活動などを 行ったことが、記憶に残っているからだろう」と分析する。 この点で、興味深いのは、人道復興支援のための自衛隊海外 派遣に関して、「賛成」「どちらかといえば賛成」の比率は、 韓国ですら42%、ベトナム44%、インド64%、あとの諸 国は80%代である。ところが日本国内は50%と下から3番 目の率である。 「自衛隊は国民を守るのが役割なのだから、海外なぞに出すな」 というのはアジア諸国の期待を知らない、いかにも狭い了見だ し、「自衛隊を派遣することは、軍国主義の復活として、アジ ア諸国の懸念を呼ぶ」という諸氏は、まったく事実を見ていな い。 いずれにせよ、国際社会の現実を正確に伝えない日本のマス コミのあり方に問題がある。その意味で、今回の読売新聞の国 際世論調査は貴重な試みだと思う。 ■リンク■ a. JOG(378) サマーワに架けた友情の架け橋 自衛隊のイラク支援活動によって得られた信頼と友情は「日 本人の財産」 ■参考■ 1. 読売新聞、「アジア7か国世論調査 中国成長…期待と警戒、 日本の役割…高い評価」、H18.09.10、東京朝刊 12頁 2. 読売新聞、「アジア7か国世論調査 東南アジアやインド、日 本に高評価 工業製品浸透」、H18.09.17、東京朝刊 10頁© 平成18年 [伊勢雅臣]. All rights reserved.