千葉県銚子市立総合病院の診療休止問題を巡り、市民団体が提起した岡野俊昭市長(63)の解職請求(リコール)の是非を問う住民投票が29日、投開票された。賛成2万958票に対し、反対1万1590票で、賛成が有効投票総数の過半数を超え、失職が決まった。翌日から50日以内に出直し市長選が実施される。当日有権者数は5万9804人、投票率は56.32%だった。市選管は近く出直し市長選の日程を決める。
自治体が運営する大規模な病院が医師不足や財政難で経営に行き詰まるケースは全国的に発生しているが、首長が責任を問われるのは異例。市は「公設民営」での早期診療再開を目指し、運営業務を担う指定管理者の公募、審査を進めている。
岡野市長は06年7月の市長選で、「病院存続」を公約に挙げて初当選。しかし、医師不足などで経営危機に陥り、昨年7月に診療休止を決めた。これを受け、市民団体「何とかしよう銚子市政・市民の会」が昨年11月下旬から署名活動を展開し、12月末に署名簿を市選管へ提出した。有効署名2万3405人で確定し、手続きに必要な有権者数の3分の1(2万229人)を超えたため本請求が成立した。【新沼章】
毎日新聞 2009年3月29日 23時47分