自身の体験談や沖縄への思いなどをつづった本「自由の扉」を出版するジェーンさん。パソコン画面に映る自身が撮影したバラを持つ被害者の手の写真が本の表紙になる=18日、東京都内の自宅
【東京】2002年に神奈川県横須賀市で米兵から性暴力を受けたオーストラリア出身のジェーンさん(仮名)=東京在住=が、自身の体験談や被害者へのメッセージを込めた本「自由の扉―今日から思いっきり生きていこう」(御茶の水書房)を4月中旬に出版する。08年3月23日に北谷町で開かれた「米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する県民大会」に参加してから1年。ジェーンさんは「大会には多くの人が集まり、きずなの深さに感動した。人は皆幸せになる権利を持っている。責められるべきは犯人だけ。被害者は生きて幸せを取り戻してほしい。この本が誰かの心に触れるものであってほしい」と願う。
大会後、70代女性がジェーンさんに駆け寄り、自身も性暴力の被害者であることを告白し「今日から私も生きていけます」と語ったという。本の副題はその女性への返事になっている。
本はA5変型で約120ページ。被害に遭った当時から書きためた日記や詩などを編集した。収録した絵画約30点はジェーンさんが描いたもので、黒を基調とした初期作品が徐々に明るい色彩に変わり、7年間の心の変遷がうかがえる。
被害当時の心境、すべての被害者に対する助言、周囲のケア、犯罪を避ける安心な空間づくりへの提言などを盛り込んでいる。24時間体制のレイプ緊急支援センターの必要性など社会意識の向上も指摘する。家族や友人からの手紙も添えた。本の随所に「あなたは悪くない」という言葉をちりばめ、被害者にメッセージを送る。
出版に併せ県内講演なども予定している。ジェーンさんは「レイプされることが私たちの人生の選択であるはずがなかったことを、いつか社会全体に理解してほしい。加害者が罪を償い、正義を得るまであきらめない」と語った。(与那嶺路代)
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