Destrapt

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罠師の日常
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幼い頃に両親と別れ、人を狩る術だけを教えられた薄幸の美少女。
罠ゲーの主役を張るには申し分ない生い立ちである。だが、一つだけ
惜しいところがある。それは、「感情移入ができない」ということだ。

確かに、人を狩るための設定としては申し分ない。だが、その部分に
特化しすぎていて、肝心の「彼女自身の心情」がはっきりしていないのだ。
刻命館のような悪ではなく、蒼魔灯のような偽善でもない。ただ人を狩り、
屍を築いていく。主人公の心情を一つの柱とするこのシリーズにおいて、
ミレニアというキャラクターは、実はあまり主人公向きではないのだ。

だが、彼女が主人公だからこそ「影牢」であるということも事実だ。
物語後半の分岐、兄、育ての親との対峙などは、まさに彼女ならではの
シナリオであったと言えないだろうか。彼女の心情が見えないからこそ、
変化が如実に読み取れる。筆者が影牢に惹かれる一因である。

確かに、刻命館と比べれば、多少淡白な印象は否めない。
しかし、それが影牢の魅力を作り出しているとも考えられる。
淡白であるが故に感情移入しづらく、感情移入しづらいが故に
ミレニア、ひいては影牢という世界を外から眺めることができる。

復讐に明け暮れる日々も悪くはないが、たまには一息ついて、
そういった日常を外から眺める立場になるのもいいのではないか。
視点の違いこそあれ、どちらも罠ゲーであることに変わりはないのだ。

蒼魔灯?あれは罠ゲーの皮をかぶった凡作AVGってとこか。
てか、あそこまでプレイヤーが感情移入できんゲームも珍しいわ。
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