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【北朝鮮問題】

2児拉致事件は小浜が上陸ポイント 工作船が頻繁に行き来

2007年4月14日

 埼玉県の主婦渡辺秀子さん=失跡当時(32)=の子ども二人が北朝鮮に拉致されたとみられる事件で、福井県小浜市の浜辺は、二児を拉致した工作員グループが頻繁に密入出国を繰り返す工作船の上陸ポイントだったことが警視庁と兵庫県警の共同捜査本部の調べで分かった。同グループがラジオの暗号放送を使った「小浜から工作船で連れてこい」という北朝鮮からの指令に従い、小浜湾から二児を拉致したとみて調べている。

 捜査本部の調べでは、小浜市岡津にある浜は、海上から大きな岩が二つ見え、夜間に小浜湾に潜入する工作船の目印となっていたという。海岸から約一キロ南東側にはJR小浜線加斗駅があり、夜間に上陸した工作員が、始発電車に乗り込んでいたとみられる。

 夜間、工作船がひそかに接岸し、日本国内にいる工作員らが、頻繁に無線連絡などすることなく確実に接触するために、上陸地点に特徴のある場所が選ばれていたとみられる。

 今回の拉致事件で主導的な役割を果たした同グループのリーダー格の女(59)もこの海岸から工作船で何度も北朝鮮と日本を行き来していたという。北朝鮮による日本人拉致をめぐっては元北朝鮮工作員の証言などから、工作船が使用されていることが明らかになっている。

 警察当局によると、小浜のこの海岸のほかにも、新潟県と京都府舞鶴市の海岸でも同グループの上陸ポイントがあったとみられ、このうち小浜、舞鶴は日本海側から若狭湾に入ったあと、さらに小さな湾を構成。冬季を除き、小型船が接岸しやすくなっている。

 

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