音楽堂使用承認取り消しは違法  朝鮮総連集会で都に賠償命令

　右翼団体による街宣活動などを理由に、東京都が都立日比谷公園大音楽堂の使用承認を取り消したのは不当だとして、在日本朝鮮人総連合会（朝鮮総連）側が、都に約８００万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は２４日、「公の施設使用で不当な差別をしてはならない。取り消しは違法だ」として、都に約７０万円の支払いを命じた。

　須藤典明裁判長は「暴力による妨害を阻止せず、平穏に集会を開催しようとする者を規制するのは本末転倒で、右翼団体の威嚇に屈して民主主義の根幹を否定するものだ」と指摘。

　「担当者は警備の準備などできる限りの努力をすべきで、十分な検討をせずに承認を取り消したのは集会の権利を保障した憲法の趣旨に反する」との判断を示した。

　判決によると、総連側は２００７年３月、日比谷公園大音楽堂で集会を計画。都はいったん使用を認めた後、右翼団体の抗議で管理に支障が生じるとして、集会の５日前に承認を撤回した。

　使用を求める朝鮮総連側の仮処分申し立てが認められ、集会は予定通り開かれた。