民主党訪中団
締め切りぎりぎりなので今日は簡単に。
『民主党訪中団』
自民党といい、野党民主党といい、あまりに朝貢外交が露骨過ぎはしないか。日本人の主体性もなにもあったものではない。
小沢訪中についてひとつだけ書いておきたい。日本の政治家のなかで胡錦濤総書記の出身組織『共産主義青年団』ともっとも親しいのは小沢一郎である。
彼が20年ほど前から始めた『長城計画』のパートナー組織がこの団体だったからだ。小沢はこのプロジェクトを経政会の実力者竹下登がほぼ独占化していた中国コネクションとは別な自分のための外交パイプに育てたかったのである。
ではなぜ『共産主義青年団」だったのか。理由は胡耀邦元総書記が中曽根元首相との『癒着』を理由に失脚してから、この団体と日本を結ぶコネクションは消滅していたからである。
ちなみに胡と中曽根が提唱して建設されたODA案件である「日中友好青年交流センター」(北京市・約100億円の無償援助)では敷地内のカラオケで公然と韓国人ビジネスマンたちが売春を行っていた。だが当局は取り締まらない。それはここが共産主義青年団など『中青連』の経営する場所だったからだ。
売春は総書記をいただく巨大政治集団の政治力に保護され黙認されていた。当時のこのセンターの管理と経営の最高責任者こそ会見した胡錦濤であり、10月の党大会で政治局常務委員に躍進した旧知の李克強だった。
小沢はもちろんそんな過去をとがめることなどしなかった。
お笑いなのは会見に同席した田中真紀子も同様だ。
外務省改革をキャッチフレーズに、外相に就任した真紀子が中国を訪問して最初にしたことはなにか。友人であるトウ小平の息子・撲方中国身体障害者連合会主席と会見した際に、彼がトップにいる『中国身体障害者センター』に数千万円の医療器材支援をその場で決定したことだ。同センターはこれも日本の無償援助で建設されたものだが、真紀子の親友の撲方は最高指導者のコネをカネに代えて暴利を貪った腐敗のシンボルとして、天安門事件の際に槍玉に挙げられた人物なのである。そこには触れずにポンと数千万円のカンパ。所詮は他人のカネだということなのだろう。
日本のODAにからむ疑惑には口をつぐみ、要人たちをヨイショするだけの会見。くりかえす。これこそが朝貢外交なのである。
田中角栄の中国訪問から35年。『古い友人』たちの劣化だけが進む。
●お知らせ
(1)チャンネル桜の正月特番『角栄失脚』のなかで、評論家の渡部昇一さんと田中角栄について対談します。ロッキード事件の裏話、田中の第三世界外交などを語り合います。
(2)戦略情報研究所のニューズレター「おほやけ」に『揺らぐ改革開放の旗』を書きました。中国はそう遠くない将来、天安門事件程度の社会的衝撃にみまわれるだろうと予想しています。
●読んでいます
(1)高学歴ワーキングプア(水月昭道・光文社新書)
日本の不条理なまでに貧しい大学院生たちの話。話題本。
(2)榮氏家族如何富過三代(中国華僑出版社)
中国の不条理なまでにリッチなブルジョアの話。
自慢も過ぎると、いずれ民心は造反有理に。
*トウ小平のトウは、正しくはです。
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