暴力団事務所　道仁会系ビル、一部使用禁止　福岡地裁支部

　指定暴力団道仁会本部事務所（福岡県久留米市）の周辺住民約６００人が、本部事務所など隣接するビル計３棟の組事務所としての使用差し止めを求めた仮処分申請で、福岡地裁久留米支部（田中哲郎裁判長）は２７日、住民側の申し立てを一部認め、実質的な本部事務所の使用を禁じ、執行官保管を認める決定を出した。従来の本部事務所など２棟については認められず、住民側は福岡高裁に不服申し立てをする方針。

　道仁会は０６年５月以降、会長人事を巡る対立で同会から分裂した指定暴力団九州誠道会（本部・福岡県大牟田市）と各地で抗争事件を展開。このため昨年８月、本部事務所の半径約５００メートル圏内の住民が「抗争などで平穏な生活を営む権利（人格権）が侵害されている」として、仮処分を申請した。

　指定暴力団の本部事務所に対する使用差し止めの仮処分申請は全国初だった。使用禁止の決定が出た建物は、南端にある道仁会系組長所有のビル。

【関連ニュース】
誠道会系会長銃撃：被告に懲役６年−−熊本地裁判決　／熊本
覚せい剤・大麻所持：組員ら３人を容疑で逮捕−−鳥栖署など　／佐賀
道仁会：事務所差し止め仮処分訴訟　暴力団排除誓い集会　／福岡
安全安心まちづくり町民会議：暴力団進出阻止誓う−−みやきで設立総会　／佐賀
道仁会：系列事務所、解体工事に着手　「使用差し止め」対策か−−福岡・久留米