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<ヒトiPS細胞>ウイルスを使わず作成 米大教授ら

3月27日4時0分配信 毎日新聞


 さまざまな細胞に分化する能力を持つヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、遺伝子の運び役のウイルスを使わず作成し、さらに外部から人工的に入れた遺伝子も完全に消失させることに、米ウィスコンシン大のジェームズ・トムソン教授らが世界で初めて成功した。再生医療などに使える安全なiPS細胞作成に向けた改良法として注目される。27日、米科学誌サイエンスで発表した。

 トムソン教授は07年、山中伸弥・京都大教授と同時にヒトiPS細胞作成を発表した研究者。ヒトiPS細胞は当初、ウイルスを使い4種類の遺伝子を体細胞に入れて作られた。しかし、ウイルスの副作用や、組み込まれた4遺伝子が予期せぬ異常を起こす危険性があった。

 今回は染色体の外に存在し、ほとんど影響を与えない小さな遺伝子「プラスミド」を運び役に採用。山中教授の4遺伝子に加え、トムソン教授独自の2遺伝子、さらに新たな1遺伝子の計7遺伝子を、新生児の皮膚細胞に入れて作った。

 完成したiPS細胞の中に、プラスミドが次第に減少していくものがあった。それを分離すると、プラスミドと導入した7遺伝子全部が完全に消失したことが確認できた。組み込む遺伝子を増やし、染色体に取り込まれにくい性質のプラスミドを使うなどの工夫で、外来遺伝子の完全除去に成功した。【奥野敦史】

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最終更新:3月27日4時0分

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