中国の液晶テレビ販売、現地メーカーのシェア急増=米調査会社

2009年 03月 28日 00:36 JST
 
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 [東京 27日 ロイター] 米調査会社ディスプレイサーチは27日、薄型テレビの市場動向などに関する最新の調査結果を発表した。それによると、液晶テレビの販売台数で中国メーカーのシェアが直近の四半期で急増し、日本や韓国メーカーなど外国メーカーは急減した。

 中国では農村部への家電普及を狙った政策を実施しており、大幅な市場拡大が見込める一方で、外国メーカーには厳しい状況になるとしている。

 調査によると、08年10─12月期は中国メーカーの液晶テレビの台数シェアは77.8%と同7─9月期(57.6%)から急増する一方、日韓メーカーにオランダの電機大手フィリップス(PHG.AS: 株価, 企業情報, レポート)を加えた主要外国メーカーのシェアは7─9月期の40.9%から10─12月期には20.6%と半減した。前年同期比の販売台数の伸び率も中国メーカーが約2倍の伸びだったのに対し、外国メーカーは同7.7%減だった。

 10─12月期は、創維(スカイワース)(0751.HK: 株価, 企業情報, レポート)(18.5%)、海信(ハイセンス)(600060.SS: 株価, 企業情報, レポート)(16.6%)、TCL(000100.SZ: 株価, 企業情報, レポート)(15.1%)など上位5位までを中国メーカーが占めた。外国メーカーではシャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート)が「(現地メーカーの)価格に追随した」(ディスプレイサーチ)ことで6位(6.2%)につけた。

 2009年の世界の液晶テレビ需要は、ブラウン管テレビからの買い替え需要が継続することなどで、前年実績比約14%増の1億2000万台を見込む。このうち、普及が進んだ先進国の前年比伸び率は日本が3%、北米が1%、西欧が2%のそれぞれ見込みだが、中国では41%増の見込み。先進国市場が高い伸びを見込めない中で、日本メーカーにとっても存在感を増す中国市場での販売拡大は重要なテーマになる。

 ただ、中国では現在、農村部への普及を狙い、テレビなどの購入で補助金を出す「家電下郷」を実施している。これにより大都市部から地方へ家電販売の拡大が見込まれるが、ディスプレイサーチのテレビ市場アナリストの鳥居寿一氏は「(中国の)内陸部にいくと圧倒的に中国メーカーが強い。(日本など)外資系メーカーには辛抱の年になる」と語る。鳥居氏は、日本メーカーが、中国や通貨ウォン安で攻勢をかける韓国との戦う上で「コスト競争力が重要になる」と指摘している。

 
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