ロシア主導で遅れる韓国のロケット開発(中)
ロシアは2007年3月、発射台の建設に関する資料を韓国側に送付し、「発射台の建設には少なくとも23カ月以上かかると考えられる」として、発射の延期を求めてきた。これに対し航空宇宙研究院は「発射台の建設にかかる期間は6カ月以上短縮できる」として、予定通りの発射が可能だとする姿勢を貫いた。
だが、ロシア連邦宇宙局のアナトーリー・ペルミノフ長官も、外羅老島の宇宙センターを訪問した際、「こんなに工期を短縮するとは、ただ驚くばかりだ」と述べた。これは韓国が十分な点検もせず、あまりにも拙速に発射台の建設を進めていることを皮肉ったものだ。
結局、その後中国・四川省で大地震が発生したため、発射台のシステムの中心的な部分に使う部品の調達が遅れ、発射は延期された。超低温の液体燃料を超高温の状態にするために使われる特殊なバルブの製造業者が大地震で被災したのだ。教育科学技術部と航空宇宙研究院は昨年8月、発射予定日を同年12月から、今年第2四半期(4-6月)に延期した。
◆韓国とロシアの主張、どこが違うのか
教育科学技術部のイ・サンモク科学技術政策室長は「ロシア側が発射台のシステムの点検項目を99項目から348項目に増やし、性能試験も当初の予定より1カ月ほど長く行う必要がある、という意見を伝えてきたため、全体的な発射のスケジュールを調整した」と述べた。また、航空宇宙研究院も「6月までにロケットを発射台に取り付け、認証試験を経て6月初めに1段目のロケットの飛行モデルがロシア側から引き渡される予定だ」とし、発射日は「発射の1カ月前に最終的に決定する」との方針を示した。
ここまでの過程で、事業の主導権はロシア側が握っているということも明らかになった。発射台は設計図をロシア側から受け取った上で、現代重工業が建設を担当することになったが、基礎工事の段階でロシアの科学者100人が宇宙センターに常駐し、技術指導を行った。
韓ロ両国の技術者たちの間では、発射台の点検やスケジュールの調整をめぐって論争が起きたという。とりわけ、技術の移転や保存をめぐって対立するなど、意見の食い違いも相当あったという。
鄭炳善(チョン・ビョンソン)記者
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