ロシア主導で遅れる韓国のロケット開発(上)
今年6月に予定されていた韓国初の宇宙ロケット「KSLV1」の発射が7月末に延期された。教育科学技術部は今月12日、「特に問題があるわけではないが、安定性を確保するためだ」と理由を述べた。だが本当にそうなのだろうか。
最近、韓国の宇宙開発関連のプロジェクトや技術の導入はロシアに振り回されている状況だ。昨年3月、韓国初の宇宙飛行士がロシア側の急な要求で交代させられたが、「KSLV1」の発射をめぐる問題も、状況を見ていると、このときと似ているように思える。
◆「KSLV1」とは
「KSLV1」は、韓国航空宇宙研究院が5000億ウォン(約363億4800万円)の費用を投じ、ロシアのフルニチェフ社と共同で開発した。総重量140トン、全長33メートル、直径3メートル、推力170トンの2段式ロケットで、100キロ級の科学技術衛星2号を搭載して発射される予定だ。現在、全羅南道高興郡の外羅老島に建設中の「羅老宇宙センター」で、ロシアの研究グループの約40人と韓国のファン・ウヨン研究員ら約160人が作業に当たっている。
◆延期が繰り返されるワケ
「KSLV1」の発射の延期は、正確に数えれば4回目となる。2005年にはロシアから1段目のロケットや発射台に関する技術移転を受けることを定めた「宇宙技術保護協定」のロシア側の批准が遅れ、また07年には韓国で予算の確保に関する問題が生じた。そして昨年には初めてのロケット発射事業に関する試行錯誤もあった。
韓国政府と航空宇宙研究院は2002年から、ロシアと共同でロケットの開発事業を進めてきた。航空宇宙研究院は当初、発射台の建設や点検などのスケジュールを総合的に検討した結果、2008年12月21日を発射予定日とし、これに合わせて準備を進めてきた。だが、発射台の建設をめぐり、ロシア側と意見の食い違いが生じたため延期された。
鄭炳善(チョン・ビョンソン)記者
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