学校の先生や役所の職員の異動の記事が、連日紙面を飾っている。企業も含めて春は人事異動のシーズンだ。
職場が変わり、人間関係も新しくなる。そこで気掛かりなのが、どんな上司と一緒になるか。新入社員ならなおさらだろう。明治安田生命保険が、今春の新入社員を対象に聞いた「理想の上司」の調査結果が発表された。男性は米大リーグのイチロー選手。女性は女優の真矢みきさんが、それぞれ初の一位となった。
イチロー選手には「実力と頼もしさ」、真矢さんには「頼もしさと姉御肌」のイメージが支持された。厳しい経済不況の時代、求められる上司像なのかもしれない。
イチロー選手はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、最後に日本に連覇をもたらす決定打を放った。真矢さんは、かつて宝塚歌劇で男役トップとして組を引っ張った。
二人ともリーダーとしての存在感は十分だ。このほか、男性ではお笑い系タレントが上位を占める中、米国のオバマ大統領が六位に入った。「指導力がある」が理由だ。
日本の指導者である麻生太郎首相と小沢一郎民主党代表。それぞれ世論調査で「首相にふさわしい」と答えたのは三割ほどだ。ともに党内では交代論がくすぶる。リーダーの指導力不足で部下は困るが、国民はもっと困る。