東京証券取引所の斉藤惇社長は24日の定例会見で、麻生太郎首相が「経済危機克服のための有識者会合」で「株屋は信用されていない」と発言したことについて、「愉快ではないということに尽きる。真剣な(株価)対策を論じる時にそういう発言をするとは。果たして(政府が打ち出すのは)どういう対策になるのか」と痛烈に皮肉った。
斉藤社長は野村証券出身。首相発言については河村建夫官房長官が「(証券業者を)侮蔑(ぶべつ)する気持ちはまったくない」と釈明したが、斉藤社長の「不愉快な気持ち」は一掃できなかったようだ。
一方、政府による株価対策については、副作用もあると指摘しながらも「経済が底抜けするリスクがある時、教条主義にこだわるのは浮世離れしている」と、期待感を示した。【坂井隆之】
毎日新聞 2009年3月25日 東京朝刊