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全国学力テスト:愛知・犬山市が初参加 市教委が決定

 全国学力テストに自治体で唯一参加していない愛知県犬山市の教育委員会は23日、4月21日に実施されるテストに参加することを決めた。だが、焦点になっていたテスト結果の公開の是非は委員の意見が分かれたままで、結論を先送りした。

 記名投票の結果、参加4、不参加2。過去2回続いた不参加から方向転換した。初めて全自治体が参加して実施される見通しとなった。参加のため、委員の1人増員や任期満了での差し替えなど、準備を進めてきた田中志典市長は「参加は市民の賛同が得られると思う」などと語った。

 市教委は学力テストについて「競争をあおり、犬山市の教育になじまない」と不参加だった。だが、06年12月初当選した田中市長は「市教委がテストを受ける権利を奪っている」と不参加の施策を進めてきた瀬見井久教育長と激しく対立した。

 一方、これまでの市教委の議論では、テスト賛成派の委員の中でも、結果の扱いについて意見が分かれている。委員会終了後、瀬見井教育長は「テスト結果は重要な行政資料であり、公開が原則。文部科学省が出したテストの実施要領では開示に歯止めはかからない」と公開姿勢を鮮明にした。だが、ある委員は「文科省の方針に沿った対応をすればいい」と言い、別の委員は「開示請求など具体的な問題が起きた時に検討する」などと話した。

 同市では07年、民間会社が実施している標準学力テスト(任意参加)の結果の開示請求を巡って問題が起きている。市教委は一度は開示を拒否したが、請求者からの不服申し立てを受けた市情報公開審査会が「開示すべきだ」との答申を出した。市教委は学校別の結果の開示を余儀なくされた。

 民間による任意参加のテストと学力テストでは性格が違い、委員の間では「公開請求に対しては違う対応になってしかるべきだ」との声が多いが、過去の例が踏襲されることを危ぶむ声もある。【花井武人、山田一晶】

毎日新聞 2009年3月23日 12時32分(最終更新 3月23日 20時30分)

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