神奈川県警の元警視(53)=懲戒免職=が関与したとされる有限会社「神世界」グループの霊感商法事件で、神奈川県警は25日、2度目の一斉捜索に着手した。甲斐市竜王のグループ系列会社「えんとらんすアカサカ」を皮切りに1都1道4県にある関連先約20カ所を詐欺容疑で家宅捜索。グループの活動状況を示す関連書類などを押収した模様だ。
捜索容疑は、グループが経営するヒーリングサロンで客6人に「蛇の霊がついている。特別祈願をすればよくなる」などと言い、祈願代名目などで計224万円をだまし取ったとされる。グループは全国で最大100店舗近いヒーリングサロンを展開していたと神奈川県警はみている。
「えんとらんすアカサカ」には25日午前9時20分ごろ、捜査員約10人が入った。約4時間後の午後1時半ごろ、捜索を終えた捜査員が複数の段ボール箱と紙袋を車に積み込んだ。捜索終了後、報道関係者が同社のインターホンを鳴らしたが、応答はなかった。周囲には公園しかない静かな場所で、集まった20人以上の報道陣に通行人は驚いた様子だった。
神奈川県警は07年12月に別の詐欺容疑で関係先を一斉捜索している。今回の捜索について同県警は「新たに分かった事実の裏付けのため」と説明している。【吉住遊、水脇友輔】
毎日新聞 2009年3月26日 地方版