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連続講座:自殺回避へ柳田邦男さんが講演 生と死考える会、射水で /富山

 ◇生身のコミュニケーション回復を「ネット社会と心の危機」 ノーゲーム・携帯の日、作れ

 自殺を回避できる手立てを考える「富山生と死を考える会」(豊原則子代表)の連続講座の講演会が、射水市三日曽根の高周波文化ホールで開かれ、ノンフィクション作家の柳田邦男さんが「ネット社会と心の危機」の演題で講演した。

 講演に先立ち、河村幹治・県健康課長が、県内の自殺者の現状と対策について説明。県内の自殺者数は毎年300人前後で推移し、ここ2年は減少傾向にあったが、昨年、増加に転じ、中でも、うつ病患者が多いという。

 柳田さんは、インターネットや携帯電話の普及で、生身のコミュニケーションが減り、子供の人格形成が難しくなっていることが、集団ネットいじめや学校裏サイトでの中傷の原因だと指摘。ある小児科病棟の待合室で、ほとんどの母親が授乳しながら携帯電話を操作しているという話を紹介し、幼少期の親子間のコミュニケーションの大切さを訴えた。

 また、近年、「だいじょうぶだよ、ゾウさん」(文溪堂)など海外の秀作絵本の翻訳にも力を入れる柳田さんは、絵本の読み聞かせと年に数回のノーテレビ、ノーゲーム、ノー携帯の日を設けることをアドバイス。柳田さん自身が推薦する絵本数冊も紹介した。

 周囲で相次いで自殺者があったという豊原代表は「自殺は遺族の悩みも大きい。自分、家族を大切にして明るい人生を送れる社会になってほしい」と話していた。【青山郁子】

毎日新聞 2009年3月25日 地方版

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