三男(当時17歳)が自殺したのは元同級生らによる恐喝などのいじめが原因だとして、沼田市内に住む両親が元同級生3人とその両親を相手取り、慰謝料など計約8145万円の損害賠償を求めた訴訟で、前橋地裁沼田支部(渡辺和義裁判官)は26日、原告の請求を棄却した。
判決によると、三男は高校中退後の05年9月中旬、友人だった元同級生の少年とバイクを交換。三男がこのバイクを友人にまた貸ししたところ、エンジンが故障。三男は元同級生の少年に修理する旨を約束したが、約束が守られないため、元同級生らは三男にバイクを10万円で買い取るよう提案し、三男は同意した。
その後、支払いがされなかったため、元同級生ら3人は06年1月、JR後閑駅に三男を呼び出したが、三男が一方的に土下座して謝罪して話し合いにならなかった。三男は07年2月、自宅付近のゲートボール場で灯油をかぶって焼身自殺した。
原告側は「三男は威圧的な脅迫を受けた」と主張したが、渡辺裁判官は「バイクの修理や対価を求めるのは当然の権利」とし、いじめに関しては「元同級生らの行為と自殺の間に因果関係があるとは認められない」と退けた。【鳥井真平】
毎日新聞 2009年3月27日 地方版