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IAEA:事務局長選 天野氏落選 国際社会説得できず

 ◇根回し重視、指導力不足と映る

 【ウィーン中尾卓司】国際原子力機関(IAEA)の次期事務局長選で、日本政府の推す天野之弥(ゆきや)ウィーン国際機関代表部大使が27日、落選した。このままでは主要な国際機関の日本人トップは今秋以降、国際エネルギー機関(IEA)の田中伸男事務局長だけとなり、日本の国際的存在感が薄まる。唯一の被爆国からの初の「核の番人」になるべく日本政府あげて選挙運動に取り組んだが、国際社会を説得し切れなかった。

 選挙戦では、天野氏や対抗馬について「魅力的でなく失望感がある」「ビジョンが見えず、指導力に欠ける」(外交筋)との厳しい批判が聞かれた。

 イランの核開発問題や核テロの脅威など、難題が山積しているIAEAには強いリーダーシップが求められるが、各国とのきめ細かい調整など「日本的根回し」の手法を重視する天野氏は、各国の求めるリーダー像と異なり「おとなしすぎる」と映ったようだ。

 国際機関トップを獲得し存在感を高める日本外交の戦略にも打撃を与えたと言える。

毎日新聞 2009年3月28日 東京朝刊

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