信大大学院の女子学生に重大なセクハラ(性的嫌がらせ)行為をしたとして諭旨解雇された村瀬公胤・元信大教育学部准教授(37)が、信大を相手に処分の無効確認と名誉棄損による慰謝料の支払いを求めた訴訟の控訴審和解協議は26日、東京高裁(大谷禎男裁判長)で開き、和解が成立した。
和解条項は▽信大側の諭旨解雇処分が懲戒解雇権の乱用に当たり、無効であることを確認する▽元准教授側は自己都合により退職した事実を確認する▽信大側は今後、本件について元准教授に対し懲戒処分をしないことを確認する−など。
村瀬元准教授は「和解が成立し、信大教育学部が安心して学習できる環境であったと確認されたことを喜ばしく思う」、代理人弁護士も「裁判所の尽力により、1審よりも一歩進んだ解決をすることができた」とコメントした。
信大の小宮山淳学長は「和解の趣旨にかんがみ、コメントは差し控えたい」とした。
1審長野地裁は元准教授の行為を「信大のハラスメント防止規定に違反し、就業規則の懲戒事由に該当する」とし、550万円の慰謝料請求は退けた。一方、諭旨解雇処分については「いささか重きにすぎる」として無効とした。