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ロボットクリエイターは疾走する を見て [Comments]

先ほど,某放送の「●来人」という番組を見ました.ゲストは,人造人間キカイダーの適役のハカイダーをかわいくしたようなロボットで有名な△ガレージのTさんです.

Tさんには,以前,名古屋でお会いしたときに,「ZMPを使うと膝を曲げて歩かざるを得ない」という,間違った認識をされていたので,ご説明させていただいたことがあります.どうやら虚偽の事実を告知・流布して筆者の足を引っ張っている人がいるようです.ついでに,ソニーと私の登録特許情報もお知らせさせて頂きました.

結論から言うと,かなり?な内容でした.

まず,このロボットが行っている歩行は,静的歩行でしょう.つまり,歩行技術は35年前程の技術です.また,起き上がり動作を行っていますが,これは静的起き上がりのようです.なお,より高速で起きあがろうとすると,ソニーと私が保有している動的起き上がりに関する登録特許技術の権利範囲に進入してしまうおそれがありますので,注意が必要です.

次に,鉄板の上を磁石を使って歩く 登録特許技術(特許第3584294号)ですが,特許権者が関西ティー・エル・オー㈱であることに注目します.つまり,Tさんは,権利を関西ティー・エル・オー㈱に譲渡してしまっているのです.私と違って特許権者兼発明者として特許権を保有していない,つまり,Tさんはこの特許のオーナーではないのです.この特許権者と発明者の意味をきちんと理解しておくことが,これからは必要です.

また,「企業のようなかたちでみんなでわいわい会議をやって作ってしまうと非常に平均的な優等生なロボットになってしまって,...(中略)..無難なロボットばっかりになってなんにも発展していかない」とTさんは語っています.

しかしながら,筆者のソニーでの経験では,その逆でした.ソニーは,かなり変わっているのかもしれませんね.

「次の時代に残るような本当に意味あるアイデアは、こだわりをもつ“個”からしか生まれない」とTさんは語っています.確かに,アイデアは,個から生まれるものですが,多くの人の叱咤激励によって,純度を上げ,結晶化が進み,さらに磨かれ,汎用度が上昇するという 工程が必要だと 筆者は考えます.

あと,鉄腕アトムに影響されてという話が出てくるのですが,ここが特に不思議です.以前もお話ししましたが,筆者は,鉄腕アトムがあまり好きではないし,漫画も少ししか読んでいません.筆者の世代は,マジンガーZ,スーパーカー,宇宙戦艦ヤマト,銀河鉄道999,ガンダム,マクロス の世代ですので,鉄腕アトムは現実の技術から"ほど遠く"すぎているために違和感があるのです.つまり,筆者の世代は,生き物同様に機械(ロボット)もお世話(洗ったり,磨いたり,メンテナンスしたり,カスタマイズしたり)をいろいろとしたくなるかわいい愛しい存在なのです.傷なんかついてしまうと,泣いてしまいます.何日もブルーです.

 最後に,「国家プロジェクトで,.(中略).. 陣頭指揮を執って,最先端のロボットを開発したい」とTさんは語って番組を締めているのですが,... これも?です.Tさんの肝心な話の一部がカットされているのかもしれませんね.

         「ロボット開発は.チームプレーです」

   「ロボット開発をすることで,真の思いやりの心が養われます」

ところで成果発表後に,選手達が叩き出した個々の成果を,独り占めしたくなる病が監督に発病する場合があります.さらに,この病は質(たち)が悪いことに選手達にも,場合によっては観客にも感染します.その場合には,大変残念なことですがチームそのものが,最終目標を達成する前に解散となってしまう場合が多いです.つまり,心がある程度満たされている人を監督にすることが,監督でありながら時には選手にもなれる研究・開発の世界では重要です.金メダルを取った選手が,金メダルを首にかけていると,そのメダルを奪って自分の首にかけてしまいインタビューなどを受けてしまったり,場合によっては,選手に替わって表彰式に出てしまう監督がいるのです.そして,「世界の中心で,全て俺がやったとさけぶ」ようになり,真実とは異なる作り話をしゃべり出してしまうのです.恐ろしい病なのです.

多くの人や複数の組織が協力し合って行うロボット開発で一番重要なことは,「独り占め病」を発病させないようにすることです.発病の兆し(顔つきが変わってくるのでわかります)が見られたら,直ちにその組織もしくは人を取り除く必要があります.一度発病すると治癒は極めて困難です.発病者が出てしまった時点で,そのチームの5年後の生存率は,ほぼゼロという難病なのです.この難病の発生率を大きく押し上げるものに個人成果主義があります.個人成果主義は,チームでのロボット開発にはむかないのです.また,マスメディアに出ることも注意しなければいけません.マスメディアに出た後に,家族や親戚,近所の人,故郷の人,会社の同僚など,まわりからちやほやされると発病率が急上昇してしまうのです.特に,フィアンセがいる方は厳重注意です.一方,この病の発生率を押し下げるワクチンのようなものは,発病前である幼い頃の教育かと考えています.様々な童話などを聞かせて良心を養うことは大変効果があります.また,人は,みな同じ能力を持って生まれてくるわけではない と言うことを自覚させることも重要です.優れている部分はより伸ばすことができますが,優れていない部分は,人の何倍努力しようがたかがしれているのです.辛い話ですが,神様は不平等です.

つまり,最終目標が達成された後に,カーテンコールは全員で手をつないで出ればいいのです.みんなの力を,みんなの優れている部分を 重ね合わせてやったのですから.

【06.05,01改訂】


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