市や県の過失認定 須賀川一中柔道部事故訴訟判決
須賀川市の須賀川一中で2003(平成15)年10月、柔道部の練習中に当時1年生の女子生徒(18)が意識不明になった事故で、女子生徒と両親が同市や県、けがをさせたとする当時の男子生徒とその母親に女子生徒の介護費用など約2億3000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決言い渡しは27日、地裁郡山支部であった。
見米正裁判長は「顧問らの危機意識の低さは顕著」などとして、顧問らが監督責任を怠ったことが事故を招いたと認定、顧問らを監督する同市と県に約1億5600万円の支払いを命じた。一方、男子生徒については、男子生徒の投げ技と女子生徒の後遺障害との因果関係は認めなかったものの「部活動の指導を逸脱する暴行があった」として、市や県などとともに330万円を支払うよう命じた。男子生徒の母親に対する慰謝料などの請求は退けた。
判決を受け、女子生徒の両親は閉廷後の記者会見で「納得のいく結果でうれしく思っている。娘には主張が認められたと伝えたい」などと話した。橋本克也須賀川市長は「判決内容を精査の上検討し、誠意を持って対応したい」、野地陽一県教育長は「(判決の)内容を吟味して適切に対応したい」とそれぞれ文書でコメントした。男子生徒の代理人は「内容を精査し控訴するかどうか検討したい」とした。
(2009年3月28日 福島民友ニュース) |