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WBC:「韓国キラー」岩隈ってどんな選手?

 「MVPをもらえるとは思わなかった。岩隈くんに申し訳ないと思う」

 これは日本のエース松坂が最優秀選手(MVP)を受賞した感想を聞かれた際に語ったものだ。心配していたとおり、韓国打線は結果的に、ワールド・ペースボール・クラシック(WBC)の決勝戦で日本の実質的なエースである岩隈にまたも押さえ込まれた。

 岩隈は7回と3分の2を4安打2失点と好投し、最終的に勝利投手にはなれなかったが、9日に行われた第1ラウンド1位決定戦の韓日戦に続き、2試合連続して素晴らしい好投を見せた。奉重根(ポン・ジュングン)が「日本キラー」になったとすれば、岩隈は「韓国キラー」になったのだ。

 この日97球を投げた岩隈の投球内容は、ストライク54でボール43。まさに一筋縄ではいかない投球を続けた。

 5回に秋信守(チュ・シンス)から一発を浴びたが、それも独自の振り上げるスイングが決まったものだ。投球そのものは縦に鋭く落ちるスライダーで決して失投ではなかった。鋭い制球力でストライクとボールの見分けがつかない誘い玉に、韓国打者のバットは空を切るばかりだった。またボールが多いことを予想した打者に対しては、鋭いストレートを投げ込んできた。

 今年28歳の岩隈はパ・リーグ最弱とされる楽天に所属しているが、昨年は21勝に防御率1.87、8割を越える勝率で沢村賞を獲得した。1999年に近鉄に入団し、2003年に15勝、翌04年には開幕12連勝を記録するなど、一時は絶頂を極めた。その後、近鉄とオリックスが合併した際にオリックスへの入団を拒否し、新チームの楽天に入ることを選んだ。

 その後05年には肩を負傷し、06年には2段モーションと指摘されていた投球フォーム修正のためにわずか1勝で終わるなど、ごく普通の投手に転落しそうになった。しかし08年には21勝で華麗に復活した。岩隈は昨年の年俸は1億1000万円だったが、今年は3年11億円という破格の待遇を受け、パ・リーグ最高年俸投手となっている。

 岩隈は決勝直後、「最後の先発は楽しもうと思っていた。みんなが付いていてくれると思って堂々と投げた。すごく緊張したし、またすごい大役を任せてもらえて、いい経験になった」と笑顔を見せた。

 宿敵日本と国際試合で今後も対戦する運命にある韓国としては、また一つ克服すべき目標ができたことになる。

ナム・ジョンソク記者

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スポーツ朝鮮/朝鮮日報日本語版
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