ねぇ、お月様。
今彼は何をしていますか?
ねぇ、お月様。
今彼は私のことを想ってくれていますか?
ねぇ、お月様。
明日彼は私のことを想ってくれるでしょうか?
ねぇ、お月様。
例えば眠りにつく前に、彼が1分でも私のことを想えばいいのに、と思います。
ねぇ、お月様。
カラオケでラブソングなんかを歌ってみるとき、彼はこの歌を、奥さんを想って歌うのかなって考えちゃって、泣きたくなるんです。
ねぇ、お月様。
どこからが我が儘で、どこまでが愛嬌なのか、線引きが難しくて困ります。
ねぇ、お月様。
彼に病気も怪我もさせないでください。だってあたしは、お見舞いに行けないんだもん。
ねぇ、お月様。
彼が奥さんを抱かなくなるような、魔法をかけてくれませんか?
ねぇ、お月様。
彼の奥さんが、彼に“仕方なく”抱かれてるといいのにって思います。
ねぇ、お月様。
古い歌にありました。
“必ず最後に愛は勝つ”って。あたしはきっと、最後は惨敗なんですね。
ねぇ、お月様。
この恋があなたがかけた
魔法だとしたら、早く解いてください。
ねぇ、お月様。
恋の楽しさや切なさや苦しさを、あたしに教えてくれてありがとう。
ねぇ、お月様。
あなたはもう、昨日とは違う形で、真ん丸じゃない。なのにどうして、そんなに眩しいの?
ねぇ、お月様。
あたしも輝けますか?
あの人がいなくても、
あたしは輝けますか?
ねぇ、お月様。
あの人もあたしに、恋をしていますか?
最後のつもりで、あたしに恋をしていますか?
ねぇ、お月様…
ねぇ、お月様…
あなたみたいに優しい光であたしも彼を包みたい。
見上げる度にあたしを、
思い出すような空になれ。