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IAEA事務局長選:候補の天野之弥大使に聞く

天野之弥ウィーン国際機関代表部大使
天野之弥ウィーン国際機関代表部大使

 【ウィーン中尾卓司】国際原子力機関(IAEA)の次期事務局長を選ぶ特別理事会(35カ国)が26日、ウィーンで始まる。これを前に、立候補している日本の天野之弥(ゆきや)ウィーン国際機関代表部大使(61)が毎日新聞と会見した。大使は、イランの核開発問題について「その言い分も聞きながら工夫すれば、方策はきっとある」と当選後の解決へ意欲を見せ、「核拡散防止条約(NPT)の信頼性を守る」と核不拡散への決意を語った。

 大使は「事務局長になれば特定グループの利益代表でなく、公平に対処する」としたうえでイランに触れ、「誇り高いイランは国際社会に『不当に扱われた』と受け止めている」と指摘。「国連安保理決議を無視して核開発を進めるイランを放置できないが、粘り強く対話する。私に任せてほしい」と話した。

 また「安全保障を脅かすのは(その国の)隣国の核だ。インドとパキスタンは競い合って核を持った。日本は北朝鮮を警戒し、中東(のアラブ諸国やイラン)はイスラエル(の核疑惑)に敏感だ」とアジアや中東の現状を分析。「核で不安定化する地域を増やしてはならない」と述べた。

 NPTについては安保理常任理事国だけに核兵器保有を認めている点に触れ、「不平等条約と指摘されながらもNPTは支持され、世界の安全保障に役立っている」との認識を示し、「NPTの信頼性を守るため力を尽くしたい」と訴えた。

 さらに、天野氏は軍備管理や科学を専門とする外交官としての長年の経験を強調。「現場を知る職人的な外交官として、果たせる役割がある」とした。

 事務局長選には南アフリカのアブドゥル・ミンティIAEA担当大使(69)も出馬。有効票数の3分の2の支持で当選が決まる。

毎日新聞 2009年3月25日 21時25分(最終更新 3月26日 0時10分)

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