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タクシーを語る
◆MKの悪を支えているもの その3
-2009/03/22 00:43
脱線ばかりでなかなか本論に入れないモードですが、書きたいことが一つできましたので、「なぜ悪いか編」をもう一章追加します。
第三章 MKは途上国型モデルへの逆行
MKタクシーは日本では異端ですが、実は中国のタクシーはほとんどMK型です。すなわち、乗務員の報酬は「売上マイナス経費」です。
中国のレポートは『全録タクシーゼミナール 総合生活移動産業の創造に向けて』で詳しく書きましたが、要するに経営者天国です。労働法制など事実上機能していないのでしょう。ほとんど全リスクを従業員に背負わせています。なお、中国だけではなく途上国ではこのパターンが多いようです。
中国で話を聞いていて思いました。「果たしてこの国の法人タクシーの存在意義はどこにあるのだろう」と。認可車両台数という利権を持ち、車を購入できる財力を背にした単なる名義貸し兼車両リース屋にしか見えませんでした。これだったらロンドンやニューヨークのように完全な個人タクシーにした方がよほどスッキリします。
日本のタクシー法人は乗務員の育成、利用者への質の担保および一定の供給量の担保、不完全ながらも一定の所得再分配、さらには一種のゲマインシャフトの機能を持っています。業界の共有地を守り育て、持続可能なサービス提供を実現するために同業各社が協調する文化も育みました。これははっきり進歩だと私は思います。
その日本型法人タクシーの文化の中にMKは入ってきました。MK自身や規制改革会議や日本経済新聞はMKがより進化したタクシーだと言うのでしょうが、私には「中国のタクシーのレベルに日本のタクシーを退化させようとしている会社」と見ます。先進国社会が多くの血と汗を流しながら築いてきた経営者と労働者の関係や、外部コストを極力内部化する過去の努力を全部チャラにするよう、時間を逆流させようとしています。
私は日本を中国のような国にしたくありませんし、日本のタクシーを中国のタクシーのようにしたくありません。なのでMKの方向は否定します。
そもそも日本の法令をきちんと適用したらMKの経営は認められるはずがないものです。場合によって時間給がゼロになるような労働契約は、普通に考えて最低賃金法に引っ掛かるでしょう。
しかし日本の労働当局はMKを放置しています。さらには多くのタクシー法人が累進歩合という「MK化」の方向に自ら足を踏み出してしまいました。ということで、やっと次回から本論に入ります。以下予告です。
第四章 MKを実質的に育てたのは誰か
第五章 MK的経営を撲滅するには
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