福島放送局

2009年3月28日 0時35分更新

柔道部事故 訴え認める判決

6年前、須賀川市の中学校で柔道部の部員だった女性が練習中に頭を強く打って意識不明になった事故をめぐって女性と両親が須賀川市などの責任を訴えていた裁判で裁判所は「女性が事故の前にも頭にけがをしていたのに顧問の教師は対策をとらず過失は明らかだ」などとして市側に1億5600万円余りを支払うよう命じました。

訴えていたのは須賀川市立第一中学校の柔道部の部員だった18歳の女性と両親です。
6年前の平成15年10月、当時1年生だった女性は柔道部の練習中に男子生徒に技をかけられたあと頭を強く打って意識不明になり現在も治療を続けています。
当時、顧問の教師は練習に立ち会っていなかったため女性と両親は「学校側が安全を配慮する義務を怠った」などとして学校を管理する須賀川市と福島県、それに男子生徒などに2億3000万円あまりの損害賠償を求めていました。27日、福島地方裁判所郡山支部で開かれた裁判で見米正裁判長は「顧問の教師は女性が事故の前にも頭を強く打って脳内出血を起こしていたことを認識していながら何ら対策をとらずそれを放置した学校側にも過失があるのは明らかだ」などとして須賀川市と県に対して1億5600万円あまりを支払うよう命じました。
一方、男子生徒がかけた技と意識不明になったこととの因果関係は否定しましたが、「受け身を十分にとれない女性に対して何度も技をかけるなど練習の範囲を超える暴行だ」として男子生徒に300万円余りの慰謝料を支払うよう命じました。