秋葉原日記 (毎日更新)

「五流の政治」

 昨日は、BSジャパン顧問池内正人氏の「五流の政治が、日本経済をぶっ壊す」と題する講演を聴いた。主催は財団法人国民工業振興会。
 池内氏は日経新聞経済部長からテレビ東京代表取締役、BSジャパン社長などを歴任した経済アナリスト。テレビ東京時代には小池百合子、野中ともよ、小谷真生子など女性キャスターを登用した「ワールドビジネスサテライト」を立ち上げたことで知られる。
 講演で池内氏は、このたびのサブプライムローン問題に端を発したアメリカ発の世界同時不況で、サブプライムローンの影響がもっとも軽微だったはずの日本が、世界最悪の不況に突入してしまったが、実はこれは政治の無策によるところが大きいと断じた。
 つまり、昨年の補正予算、そしてこのたびの第2次補正予算と組んだものの、規模も小さく、タイミングもずれているし、実効性もなくて、そもそも何のための予算だったのか、意味をなしていないとし、結局、景気対策に麻生内閣は一円も出していないと痛烈に批判した。これが一流どころか二流にすらなっていなく、せいぜい五流というわけではなはだ手厳しかった。
 その上で、景気対策ということでは、不況対策と景気刺激策とは峻別して進めるべきで、国公立の病院を建設するとか、太陽光発電設備の建設など後世にも生かされる投資を行っていくべきだと展開、炭酸ガスの発生を抑制すべく世界が地球環境の保全に邁進しているさなか、日本は高速道路の料金を値下げするなど世界の潮流に逆行する施策を行っていると断罪。
 また、今後の景況については、アメリカで2月の住宅着工件数が前月比上向きに転じたなど、アメリカ経済は底入れとか底を打ったというほどではないが底に着いたとみられ、明るい兆しが見られてきたと指摘、4‐6月には底入れ感が出てくるとし、日本経済は輸出が上向くかどうかがポイントで、企業業績の回復次第では4‐6月にも明るさが見えてくると見通しを述べた。
 講演は全般にジャーナリストによるものだけに率直でわかりやすかったが、論拠が単純で、多少頼りなさげに感じられなくもなかった。

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