北海道・函館市のPRビデオなど自治体が地域活性化のためネットを活用する動き広がる
北海道・函館市のPRビデオが市の観光情報サイトで公開され、アクセス数が33万件にのぼり、話題となっている。また東京・荒川区が、インターネット上で運営するショッピングサイトは、年間売り上げ1,200万円を記録するなど、自治体が地域活性化のため、ネットを活用する動きが広がりを見せている。
北海道・函館市は、伸び悩む観光面のてこ入れのため、公式観光PRビデオの制作を民間企業に委託した。
PRビデオには、街の名所を次々と破壊する巨大なイカが映っていた。
函館市民は、「いいんじゃないかな、こういうの。函館PRになるよね」、「ユニークで面白いかなと思う」などと話した。
迫力のCG(コンピューターグラフィックス)を駆使したストーリーは、函館名物・イカが食べられることに怒る「イカール星人」が観光名所など街を次々と破壊する。
そこに、五稜郭タワーがロボットに変身し、イカール星人に立ち向かうという奇想天外なもの。
PRビデオを制作したシンプルウェイの阪口 あき子社長は、「ここまでふざけちゃうと、さすがに函館市もダメって言うんじゃないかなと思ってました」と話した。
制作会社も驚いた判断を下したのは、函館市長だった。
函館市の西尾正範市長は今回のPRビデオについて、「わたしは、見て笑って、非常に若い感覚でいいなと。古い市役所を解体するってことで、解体したがってんでないかなと思いまして」と話した。
2008年12月に開設した市の観光情報サイトなどで公開したところ、口コミで話題となり、アクセス数はすでに33万件にのぼった。
西尾市長は出演のオファーにいつて、「イカール星人に食べられるのよな。(次回作でイカール星人と戦いますか?)じゃあ近々、出演予告で...」と話した。
ネットを利用したPRに成功した函館市。
一方、東京・荒川区がネット上で運営する「あらかわショッピングモール」では、創業60年、昔ながらの雰囲気あふれるお店のところてんなどを、全国どこからでも購入することができる。
荒川区産業経済部の境田 健太郎さんは、「自分でウェブサイトを作るのは大変だというところで、インターネット上の販売支援サイト『あらかわショッピングモール』の運営をしているところです」と語った。
都電をモチーフにした地ビールや下町の和菓子など、開設からおよそ7年で出店数200以上、年間売り上げは1,200万円にのぼる。
出店店舗のリカーショップふじもり・藤森保孝店長は、「今まで知らなかったお客さんが、やっぱり興味を持ってくれたりとか、毎月問い合わせがあったり注文があったりということで、全然宣伝効果は違いましたね」と話した。
北海道・旭川市もショッピングサイト開設を発表するなど、自治体が地域活性化のため、ネットを活用する動きは広がりを見せている。
(03/27 19:11 北海道文化放送)