2006年10月に北佐久郡御代田町人権政策課長だった男性(57)=当時=が自殺し、妻が「自殺原因と公務は切り離せない」として、地方公務員災害補償基金県支部に公務災害の認定を求めていた問題で、同支部が公務災害と認定したことが25日、分かった。認定は23日付。
男性は04年4月に人権同和対策課長(当時、その後人権政策課長)に着任。遺族によると、担当した同和問題をめぐり悩んでいた。不眠などの不調を訴え、職場にも行けない状態となったため、06年8月末から休職。退職を希望したが、町に慰留され、10月3日に自殺した。
同支部は07年4月、妻の請求を受理。職務内容や妻の記録などによる調査結果から、「職務が原因の精神疾患によって自殺に至った」と認めた。詳しい判断理由は明らかにしていない。
町の同和対策事業は、同年2月の町長選で争点となり、町議時代に男性の自殺問題などから同事業のあり方を問題視していた茂木祐司現町長が初当選。就任後、同事業を全廃、人権政策課も廃止した。
男性の妻は「悲しいというより苦しくつらい2年半だった。こんな思いをほかの人に2度とさせないでほしい」と話した。