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政府・与党:対立法案の審議優先 後半国会、野党との差別化狙う

 09年度予算案と関連4法案が年度内成立する見通しとなり、国会の焦点は他の重要法案の審議に移る。政府・与党は今秋までの衆院選をにらみ、海賊対処法案や国民年金法改正案など、与野党の対立法案の審議を優先する構えだ。民主党は「意図的な審議引き延ばしはしない」(山岡賢次国対委員長)との姿勢だが、後半国会は選挙の前哨戦の意味合いが強まり、与野党の攻防が激しくなりそうだ。【高本耕太、白戸圭一】

 自民党の町村信孝前官房長官は19日の町村派総会で「国会審議を通じて、民主党のいいかげんさをはっきりさせていく」と強調。村田吉隆筆頭国対副委員長も同日の記者会見で、「もろもろを考えて、次の弾を探したい」と、法案を弾に例え、野党との対決姿勢を示した。

 政府・与党は後半国会で、十数本の法案成立を目指す。海賊対処法案とグアム移転協定の審議を通じ、民主党の外交・安保政策を揺さぶる方針。在日米軍再編にからみ、日本に駐留する米軍は「第7艦隊で十分」とした小沢一郎代表の発言も、積極的に取り上げる。

 また、麻生太郎首相は衆院選について「消費税を含む税制の抜本改革を第一に言わなければならない」と述べ、財政再建策を主要争点に打ち出す意向だ。自民党国対には国民年金法改正案の審議を消費税も含めた財源論議のきっかけとし、「民主党の矛盾点を指摘する」との狙いもある。

 ただ、6月3日までの今国会会期を考えると、日程はかなり窮屈になる。5月の連休明けには追加の経済対策を盛り込んだ09年度補正予算案の審議も始まる見通し。東京都議選(7月12日投開票)を重視する公明党は会期の大幅延長に慎重で、今国会の延長は「1カ月が限界」(自民党国対)との見方が強い。

 一方、西松建設の違法献金事件など、波乱要素も残る。逮捕された小沢氏の公設秘書は24日に拘置満期を迎え、事件の展開次第で国会が混乱する可能性もある。自民党の大島理森国対委員長は19日の国対会合で「(事件は)来週が節目。政治的にどのような影響を与えるか、見極めなければならない」と語った。

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 <後半国会の主な法案・条約>

 ◇消費者庁設置関連法案

 消費者行政を一元化する「消費者庁」を09年度に設置するための関連3法案

 ◇国民年金法改正案

 09年度から基礎年金の国庫負担率を現行の37%から2分の1に引き上げ

 ◇海賊対処法案

 東アフリカ・ソマリア沖で海賊から護衛する船舶の対象を拡大。武器使用基準も緩和

 ◇在沖縄海兵隊グアム移転協定

 在日米軍再編の一環として在沖縄海兵隊8000人を移転。日本側が28億ドルを上限に資金提供

毎日新聞 2009年3月20日 東京朝刊

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