現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 裁判
  5. 記事

「レッドパージ名誉回復を」92歳男性ら3人、国を提訴

2009年3月27日15時13分

 共産党員らが職場から追放された米軍占領下での「レッドパージ」で、勤め先を免職・解雇された神戸市内の79〜92歳の男性3人が27日、「レッドパージは基本的人権を侵害した行為であり、国はその被害者の名誉回復や職場復帰に向けた施策を講じる義務を怠った」として、国に計6千万円の慰謝料を求める訴訟を神戸地裁に起こした。

 3人は大橋豊さん(79)=当時逓信省(旧郵政省)神戸中央電報局=と川崎義啓(よしひろ)さん(92)=同旭硝子尼崎工場=、安原清次郎さん(88)=同川崎製鉄(現JFEスチール)葺合工場。訴状によると、3人は50年8〜10月、それぞれの勤め先から日本共産党員であることを理由に突然、免職・解雇されたとしている。

 3人は、レッドパージがあった3年前の47年には思想信条や結社の自由を保障した憲法が施行されていたと指摘。「国は連合国軍総司令部(GHQ)によるレッドパージの指示に従うべきではなく、少なくとも主権が回復した52年以降は被害の実態を調べ、名誉回復や職場復帰、財産的補償をする法的義務があった」と主張している。

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内