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羽生王将V5!タイトル戦3度目は負けない!

5連覇を達成した羽生王将は笑顔でポーズ
5連覇を達成した羽生王将は笑顔でポーズ
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 羽生善治王将(38)が、自ら仕掛けた超急戦を制し、5連覇と通算在位12期を達成した。第58期王将戦7番勝負最終局2日目が26日、山形県天童市の天童ホテルで指し継がれ、午後6時51分、110手までで羽生が勝った。今シリーズは先行され苦しい展開だったが、3カ月に及ぶ長い戦いをうれしい決着で迎えた。深浦康市王位(37)の初挑戦奪取はもう一歩のところで霧散した。 【王将戦

 紅潮した顔をすっと伏せて投了を告げる深浦に羽生はこくりとうなずいて「あっ、どうも」と短く返した。羽生も顔を紅潮させていた。横歩取り8五飛の戦いは、1日目から駒がぶつかる激戦になり、深浦が今シリーズ初めて封じ手をして指し掛けになった。「一気に詰むや詰まざるや、という展開にもなりかねない」(控室)という注目の封じ手は65分を消費した4六角(51手目)だった。飛車取りになっているが、羽生は構わず2七歩成と攻める。中盤戦を抜かして終盤戦へ突入していく。まだ昼食休憩前だ。

 羽生は56手目で長考に沈んだ。74分使って3八角と打ち込んだ。飛車を取り合い、すかさず羽生が3八飛(60手目)と王手をかける。深浦は静かに4八桂と合駒で受ける。一手一手に神経を使う寄せ合いに緊張感はどんどん高まっていく。

 「2七にいる働いていない金をさばければ深浦さん、ちょっと良くなるのかな」(控室)の検討がされた直後に深浦は、2八に金を引き(67手目)、竜を作られることの代償に羽生の馬と交換して金をさばいた。最高の指し回しと控室に声があがった。

 しかし、その後羽生がじりじりとポイントをあげ、深浦王を追いつめた。深浦97手目に5四馬とする。ここで羽生が馬を取り込むと「トン死」の筋があることを検討陣が発見した。が、羽生は4一王(100手目)と逃げる巧みな受けを繰り出し、深浦の望みを断った。7番勝負は3勝3敗なら、一般的には追い込んだほうが有利とされる。王位戦では2期連続でフルセットの末に深浦に敗れている羽生。3度は負けない、という意地を見せた5連覇だ。

 ◆羽生 善治(はぶ・よしはる)1970年(昭45)9月27日生まれ、埼玉県所沢市出身。38歳。85年将棋界3人目の中学生プロに。89年第2期竜王戦で島朗を破り初タイトル獲得。96年2月、史上初の7冠制覇を達成。

[ 2009年03月27日 ]

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