首都圏放送センター

2009年3月27日 13時14分更新

救急医療を考えるシンポジウム


東京の病院で、救急患者の受け入れを断られるケースが相次いだことなどを受けて、医師や行政の担当者が、救急医療の課題について話し合うシンポジウムが、26日夜開かれました。

このシンポジウムは「東京都の医療崩壊を防ぐには」と題して、東京大学で開かれたもので、東京都の猪瀬副知事や救命救急センターの医師、地域の中核病院の産科医など7人が、パネリストとして参加しました。
医師不足などを背景に、東京都内では救急搬送された患者が、受け入れを断られたりするケースが相次いでいて、パネリストたちはこうした課題をどう解決するか、それぞれの立場から意見を述べました。
このうち、地域の中核病院の産科医は「厳しい労働環境のなか、産科医は若い人のなり手が減っているのが実情だ。がんばっている病院が、きちんと評価されるしくみを作ってほしい」と述べました。また、都立病院の救命救急センターの医師は「東京全体で医師のやりくりをすれば、もっとうまく対応できるのではないか」と述べました。
これに対し、猪瀬副知事は「救急医療に携わる医師ががんばっても、現実がうまくいかないのは、システムに問題があるからだ。みなさんの意見を謙虚に受け止める」と述べ、シンポジウムで出された意見を参考にしながら、対策を進めていく考えを示しました。