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平田副財務相辞任:官邸、危機意識低く 当初は「続投」意向

 株を市場外取引で市価の約2倍の価格で大量売却していた責任を問われ、平田耕一副財務相が26日引責辞任したが、麻生太郎首相、河村建夫官房長官らの問題意識は当初は低く、続投させる意向だった。続投だと、27日に参院財政金融委員会で予定される09年度予算関連法案の採決に民主党が応じない方針を決めたため、平田副財務相は辞任に追い込まれたが、官邸の危機管理能力の低さを改めて露呈する結果となった。

 「副大臣がこういう状況では、普通だったら審議は止まっている。早く辞めた方がいい。そのつもりは」。26日、同委で共産党の大門実紀史参院議員が迫ると、平田氏は「私自身は考えておりません」ときっぱりと辞任を否定した。

 官邸の危機意識も低く、河村官房長官は午前の記者会見で「本人が説明責任を果たしたいと言っている。その結果を待ちたい」と平田氏の意向に任せる姿勢を示した。

 官邸が危機感を持ったのは、民主党が採決しない方針を固め、同党の大塚耕平参院議員が同委で「明らかに大臣規範に抵触し、首相の任命責任は極めて重い。09年度予算にからむ国税2法案は平田副大臣の罷免もしくは辞任がない限り、採決に応じないこともあり得る」と追及したため。予算関連法案が採決されなければ、27日の予算案採決に影響しかねない。

 結局、平田氏は同委員会終了後、首相官邸側に辞任の意向を伝え、首相も認めた。平田氏は26日夜の記者会見で「国会の審議が滞るということになると国民に多大な迷惑をかける。総合的に勘案して職を辞することにした」と語った。

 「政治とカネ」の問題が厳しく問われる中で、発覚当初から迅速に対応できなかったことは首相には大きな打撃で、低支持率が続く麻生内閣の求心力がさらに低下するのは必至だ。【西田進一郎】

毎日新聞 2009年3月27日 東京朝刊

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