3月27日のながさきニュース
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長崎新聞
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住民ら「里帰り出産」にSOS 上五島病院、医師減で受け入れ困難

| 町外からの里帰り出産を受け入れない方針が明らかになった上五島病院=新上五島町青方郷
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県離島医療圏組合(会長・金子知事)が運営する上五島病院(新上五島町青方郷)が五月以降、産婦人科の常勤医師が一人になることで、町外からの里帰り出産を受け入れない方針であることが二十六日分かった。同町内には同病院以外に出産を取り扱う医療機関はなく、住民らからは医師確保を求める声が上がっている。
同病院ではここ数年、年間約百七十件の出産を取り扱っており、このうち五十件程度が里帰り出産。現在は長崎大から派遣を受けた常勤の産婦人科医二人がいるが、女性医師一人が育児を理由に退職する意向。五月以降は出産に対応できる常勤医師は一人になるため、新上五島町外に住む妊婦の受け入れを断ることにした。
里帰り出産を希望する同町出身の女性(27)=福岡県在住=は「里帰り出産した際、手助けをしてもらえる母親がいることはものすごく心強かった。今後も里帰り出産できる体制を保ってほしい」と願いを込める。
この問題は同日開かれた県離島医療圏組合議会でも取り上げられた。議員を務める新上五島町議は「故郷に帰れば、両親や親せきがいて、安心して出産できるのに、という意見もある」として改善を要望。同組合の矢野右人副会長(県病院事業管理者)は「里帰りする人は島よりも都会の地域から来る。都会には島よりは出産に対応できる医療機関があるので、離島を守るために理解してほしい」と述べた。
同組合は医師の補充に努力する方針だが、めどは立っていない。同町の井上町長は「全国的な医師不足の中、離島での確保は特に難しい。町と病院が連携し、何とか医師を確保できるように努力したい」と話した。
同組合が運営する病院のうち、上五島病院のほかに出産に対応できる五島中央病院(五島市)、対馬いづはら病院、上対馬病院の三カ所については受け入れの制限はしない方針。
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