県立中部病院が北上に完成 医師不足は未解消
関係者約120人が出席した式典で、達増拓也知事は「地域医療体制の充実に向けて高度で信頼される病院を目指す」とあいさつ。その後、病室や医療機器を見学した。 新病院は敷地面積9万平方メートルで、地上5階、地下1階建ての延べ床面積3万3000平方メートル。県内3カ所目の緩和ケア病棟(24床)や、がんの早期発見に有効な陽電子放射断層撮影装置(PET)を整備している。 医師は研修医11人を含む62人体制と、県医療局が当初目指した65人程度より少なくなった。麻酔科の常勤医を確保できず、小児科(医師2人)も花巻厚生病院の医師1人が今春退職して非常勤で手伝う。産婦人科(2人)も十分ではないのが現状だ。 県医療局は東北大や弘前大などに医師派遣の増員を申し出たが、医師不足のため実現できなかった。このため、新病院は「里帰り出産の受け入れを原則制限し、小児科も休日などで開業医と連携した対応をしていく」(担当者)という。 田村均次医療局長は「大学には引き続き派遣増員を要望する。研修医にも選んでもらえる病院にしたい」と語った。 県立中部病院は2病院の老朽化に伴い、岩手中部圏域の高度医療を担う「広域基幹病院」として移転新築した。総事業費は約138億円。29日には患者約120人を新病院に移送する。
2009年03月27日金曜日
|