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堺屋太一のビデオコラム Vol.93 政局2008の課題(1)

編集部2008/01/07
あけましておめでとうございます。新春2008年の放送初回は『日本政治の改革』についてお届けします。『平成30年』まであと10年。過去の歴史からも、今日本が改革期であることは明らかなのです。
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ビデオコラムよりテキスト化・一部抜粋
――2008年、平成20年が始まりました。この新しい年、正月にはこういうテーマで3回の放送をしたいと思っています。今年何をなすべきか、日本の政治・日本人は何をなすべきかという問題です。私はちょうど10年前、1997年から98年にかけて朝日新聞で『平成三十年』という小説を連載しました。この『平成三十年』は、今から10年前に20年先を予測した予測小説でありました。ちょうど、その20年の予測のなかで「半分が経った」ということなんですね。そして半分経ってみていったいどういう状況か、まずそのことを考えたいと思うんです。

なぜ私がこの『平成三十年』という小説を書いたか、それにはある意味があります。といいますのはこの表をご覧ください(ビデオ参照)。明治維新の時からずーっと数えて平成30年というのは明治150年である。150年経つんですね。その中で、明治からまず最初、第一次世界大戦までは日本のものすごい興隆期。明治維新をやって殖産興業、どんどんと日本が近代工業国になる興隆期でございました。そして第一次世界大戦というのは日本がイギリス側について勝利をした。そういう意味ではこの第一次世界大戦は戦前の一つのピークになっています。

ところが、この第一次世界大戦が終わりましてから日英同盟が廃止になって日本は諸外国と段々と対立をし、やがて第二次世界大戦、太平洋戦争に入るわけですね。この太平洋戦争に入りましたのが昭和16年、1941年です。この間が73年間なんですね。そして太平洋戦争は4年ありました。その太平洋戦争の終わったのが1945年、昭和20年です。それからこのバブル景気まで、どんどんと日本が復興し成長し発展をした。そして頂点のバブルになったのが1991年。この間がやっぱり46年間。ちょうど明治維新から第一次世界大戦までの間と同じなんですね。

そして、それから今、23年が経つと2018年、平成30年になります。つまり明治維新から太平洋戦争まで、この期間と敗戦から平成30年までの間がちょうど同じ。全部で150年ですが、これが二つに分かれている。前の例、明治維新のときには非常に発展した日本が、明治から発展してきた日本が第一次世界大戦を頂点にしてまた落っこった。はたして今度は、この敗戦からバブルまで大いに成長してきた日本が今、衰退気味なっている。そして平成30年にはどうなるのか?こういうような考え方をしたのです。それで平成30年は大変な年になると。だから日本はそれまでに改革しなければいけない。こういうことを書いたんですね。

そして10年経ちました。この間の半分が経ちました。それで今つらつら見るとですね、どうやらあの『平成三十年』という小説、これが誠によく当たってるんですね。平成30年にどんなことを予測していたか、ちょっとそれを見てみますと、まず『平成三十年』という小説の最初の見出し、それは「何もしなかった日本」なんですね。つまり改革しなかった日本。そのままずーっと20年間続くだろう。1997、8年、朝日新聞に連載した時から20年間、平成30年まで何もしなかった日本、その状況が続くだろうと、こう書いたんです。

もちろん、それは何もしなかったわけじゃない。盲腸の手術ぐらいはした。悪いところは取り除くことはしたけれども抜本的な体質の改善とか気質を変える、気持ちを変えるとかそういうことをしなかった日本、ということになっています。その間にどれくらいのこと、つまり盲腸の手術をやったといえばどんなことをしてるかというと、まず第一に消費税。これが2008年に8%になったというんですね。いちおう今年は福田内閣が、選挙があるとかで消費税の引き上げは見送りました。しかし2008年にはちょうどこれぐらいになりそうな按配になっております。

それからその次には物価がどんどん上昇して円安になっている。これも今から10年前97年、98年ごろにはあまり言われなかったこと。むしろ物価が下がっていたんですけれども、それから20年間には物価がうんと上がるだろうと予想をいたしました。そうすると去年、2007年ぐらいから物価はじりじりと上がりだしました。ガソリンも上がっておりますし、食料品も上がっておりますし、これからサービスもだんだん上がってくるだろう。そういった関係でかなり物価は上昇するだろうと見られるようになってきました。――
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