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堺屋太一のビデオコラム Vol.97 緊急!!日本株大暴落(2)
2008/02/04
世間を騒がす『為替』と『サブプライム』問題。
株価大下落の、これら国外要因をどう見直していくか?
《金融マーケット活性化》は、日本の景気上昇に直結する重要なテーマなのです。

 (12分36秒) [FSStream]


ビデオコラムよりテキスト化・一部抜粋

先週から3週連続で景気の後退の問題、特に株価の値下がりの問題をお話ししています。株価というのは上がったり下がったりするんですが、ずーっと上がり局面の時、最初に株を買った人は「自分が天才ではないか」そういうような感じを持つんですね。ところが、下がり局面というのは7、8年に1回ずつやって来るんですね。これが株の特徴であります。まず90年代の最初、相当の値下がりがありました。89年を天井として大幅に下がった。その次は99年から2001年まで相当大きく下がりました。そして最近、去年から下がり局面に入るようになりました。まあ、この図(ビデオ参照)から見ますとそれぞれ3年ぐらいで下がっていますから、今年はまだ下がるんじゃないか、かなり先は厳しいじゃないか、そんな感じがするところであります。

ところで、こういうように株が下がっている、それは日本の景気が悪いからなんです。景気が悪いのはなぜかというと、国内要因と海外要因の2つ、両方あります。国内要因としては消費が伸びていないこと、そして官製不況、官僚たちの怠慢で起こった不況が大きい。これは前回お話ししました。そしてもう一つ、海外要因としては為替の問題とサブプライムローンの問題があります。今日はその為替の問題についてお話ししたいと思います。
ここに最近の21世紀になってから、2001年からですね、21世紀になってからの為替の動向の図がございます。これは円とドルとの関係です。1ドルが何円であったかを示したものです。一見してわかりますように激しく上下しておりますけれども、いちばん高い時には130円台、2002年には130円台になりました。いちばん低いところは100円スレスレというのがあります。このところずーっと、これは上へ行くほど円安なんですね。1ドルが何円と書いてありますから上に行くほど円安です。ずっと円安が続いている。

円安が続きますと株にとっては2つの良いことがあります。まず第一に、円が安いということは日本で作った物を外国で売ったら安く売れるわけですから日本の輸出がどんどん増えます。したがって、その分企業の利益が増えます。1ドルで売ったものが130円になるのか、100円になるのかでは大変な違いですね。だから円安になると輸出企業の株が上がります。業績が良くなって株が上がります。それはこの最終局面でガクッと落ちてますね。これが非常に影響している。

ところが、これは円とドルの関係ですね。今度は円とユーロの関係。ヨーロッパのお金との関係を示すとこのようになっています。つまり2000年の時には、ほとんど100円を割っていました。私が閣僚のころには98円ぐらいだったですね。それから、どんどんどんどん一方的に上がりまして160円を超えてしまいました。これだけ円が安くなったんです。

だから、この1月初めの通常国会の始まりに大田弘子・経済財政担当大臣が「日本の経済はもはや一流といえない」という発言をしました。これは、これだけ為替が下がったということは、日本の円が下がった。ユーロが上がったということは日本人の給与とか財産がユーロで計ると減ったということですね。だから「もはや一流といえない」という発言となったんですけれども、企業としてはこれは非常にプラスです。輸出品が安く売れる。あるいは1ユーロで売ったものを日本に持って帰ってくると160円になる。昔は100円だったものが今160円になる。だから利益が上がる。そういう意味で株にとっては良い材料なんです。円安というのは良い材料です。

一般の国民にとってこれは悪い材料です。外国のものが高くなる。海外旅行したら同じ1万円持っていても使いでが少なくなる。だから悪い材料ですが企業にとっては良い材料。したがって株価は上がったんですね。もう一つこれは英国ポンドとの関係ですけれども、これもユーロと同じような動きをしています。こういったことが21世紀になってから日本の株を押し上げてきた要因なんです。

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