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堺屋太一のビデオコラム Vol.100 スタグフレーションの黒い影(2)

編集部2008/02/25
依然として進む株価の世界的下落状態。今回は、オリンピック・ブームにより更なる投資拡大が見込まれる、隣国・中国にスポットを当てお話します。問題は、オリンピック投資が終わった後の投資『冷え込み』なのです。アメリカと中国の二大経済拠点の不況は日本にどう影響してくるのでしょうか?
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ビデオコラムよりテキスト化・一部抜粋

上海の道
stock.xchngより
このところ株が全世界的に大暴落をしています。これが世界的な不況になるのかどうか、そういったことをここ3回続けて申し上げています。私はこれを「スタグフレーションの黒い影」と、呼んでいます。スタグフレーションというのは、不況――スタグとインフレーションとが一緒にやってくるということなんですね。この言葉が作られたのは1970年代、あの石油ショックの頃でした。石油ショックで物価がどんどん上がる。そして一方、どんどんと産油国へお金が流れる。世の中が不安になってどっと不況になった。そういうときに作られた言葉です。いわば、どうしようもない最悪の事態ということなんですね。そういったことが、これからまた起こるのではないか。そういう不吉な予感がいたします。

これは(ビデオ参照)先週もお見せしましたけれども、世界中の株の動きです。まず、日経平均。ずーっと徐々に上がってきましたが去年の中ごろから相当大幅に値下がりをいたしました。そして、これはアメリカのダウ平均。これも好調に値上がりしてきましたけれども直近のところ、去年の後半からかなり値下がりしています。そして、こちらはヨーロッパを代表するドイツの資料ですが、これも直近のところ、ここへきて大幅に値下がりしていますね。

そして、最後は今日お話しする中国でございますが、中国の株式はなんと一年間に3倍にも値上がりしました。この直近にきてどっと下がっています。しかし、まだ3倍に値上がりしたのに比べると4分の1ぐらい下がっただけ。これを全体で見ていただきますと、日経平均――日本の株が一番下がっているんですね。この問題はまた後ほど申し上げますけれども、世界中でこのところ株が下がっている。それは、みんなが弱気になって「将来は経済が不況になる」と考え出した印なんですね。始まりはどうもアメリカらしいというんですが、サブプライムローンに始まったアメリカの不況については先週お話いたしました。今日お話しするのは中国。一年間で株が3倍になった。その中国がこれからどうなるかと、こういう問題なんですね。これはじつは大変な問題です。

まず、中国がどうしてこんなに株が一年で3倍になるほど発展してきたのか。中国の経済はここ10年間でものすごい成長をしました。毎年約10%、ときには11.5%ぐらいの経済成長。日本の60年代に匹敵する成長をしているんですね。その理由というのは、まず輸出の拡大です。アメリカ向けを中心に中国の輸出がどんどんと増えました。そしてもうひとつは、オリンピックブームに代表される投資の拡大です。この二つで中国は超投資ブームなんですね。
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